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第4話:白雪ミオという存在

昼下がりの教室に、午後の光が柔らかく差し込む。ユウは机に向かいながらも、微かに香るミオの存在を感じていた。銀髪ボブが揺れるたび、空気が少し甘く温かくなるような気配。胸の奥がじんわりと熱を帯び、呼吸がわずかに乱れる。

「ユウくん、もう少しここにいていい?」

ミオの声は、まるで柔らかな風が肩に触れるようにユウの心に響く。彼女の言葉と香りが交わる瞬間、胸の奥が締めつけられるような、甘くて切ない感覚が走る。手元の香料瓶を握る手が、少しだけ震えた。

ミオは机の端に座り、ユウの横顔をじっと見つめる。その視線は無防備で素直、まるで彼女の心が開かれていることを告げているようだった。胸の奥で小さな火が灯る。香りと視線と呼吸が微妙に絡み合い、心と体が同時に揺れる感覚。ユウは思わず目を逸らしたいのに、意識は自然と彼女に吸い寄せられる。

「ユウくんの香り……なんだか、安心する」

その一言に、胸の奥がさらに熱を帯びる。香りが、言葉以上に存在を伝える力を持つことをユウは知っている。手に持った香料の感触が、微かに指先を刺激し、胸の奥のざわめきと共鳴する。心拍が早まり、肩の感覚まで敏感になる。

「僕……香りで、誰かの心に触れられるんだ」

呟く声が震える。ミオは少し首を傾げ、柔らかく笑った。その笑顔が、胸の奥をくすぐる。微かなときめきが、指先や肩、胸の奥に広がる。香りは単なる匂いではなく、存在を伝え、心と体を同時に揺さぶる力を持っていた。

二人の間に漂う空気は、甘くて温かく、微かに火照ったような余韻を残す。ミオの手がわずかに机に触れ、その感覚が胸の奥にじんわりと伝わる。ユウは呼吸を整えながらも、微かに体が反応しているのを感じた。

「ユウくん、香りで伝えてくれるのね……」

その言葉は、香りを通した心の共鳴を肯定するものだった。胸の奥の熱は、微かな官能的余韻として残り、ユウの意識を香りとミオの存在に集中させる。香りと体感、視線と心が絡み合い、言葉を超えた理解が二人の間に静かに流れる。

ユウは小さく息を吐き、微笑む。香りを作ること、感じること、そして誰かの心に触れること。それは、ただの技術ではなく、心と体を同時に揺さぶる芸術だった。ミオという存在が、その芸術に光を与え、胸の奥の熱を温かく照らす。

窓から差し込む午後の光が、二人の影を柔らかく伸ばす。香りが心を包み込み、体に微かな反応を残す。ユウは胸の奥のざわめきと共に、初めて「この香りで、誰かの心を温められるかもしれない」と確信したのだった。

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