第11話:ミオの初勝利
放課後の試合室に、微かに温かい光が差し込む。ユウは香料瓶を手に、胸の奥で微かに熱を感じていた。昨日の自分の成長、そしてレイナの評価が、まだ肩先や指先の微細な感覚として残っている。
対する相手は、銀髪ボブの白雪ミオ。普段は柔らかく無邪気な笑顔で周囲を包むが、香式ではその感情を最大限に香りに乗せてくる。微かに漂うフローラルの香りが胸の奥をくすぐり、呼吸が少し早まる。指先や肩先まで微かにざわめきが伝わる。
「ユウくん……見ててね」
ミオの言葉に、胸の奥が熱を帯びる。香りが心に触れ、体にも微かに反応を残す。ユウは胸のざわめきを意識しつつ、掌の震えを感じる。香りの力は、心理だけでなく体まで揺さぶる。
試合開始。ミオの香りが空気に溶け、胸の奥にじんわりと広がる。微かに肩が熱くなり、呼吸が重なる。ユウは自分の香りを混ぜ返すが、ミオのフローラルは彼の直感を一瞬で揺さぶる。胸の奥で甘くざわめき、微かに指先が震える感覚。香りが心理と体を同時に刺激する瞬間だ。
「……すごい……」
ユウは小さく息を吐く。ミオの香りが、胸の奥の熱と微かな官能的余韻を呼び起こす。体の芯が微かに反応し、肩先や指先まで熱を帯びる。香りだけで相手の感情に触れ、体に微細な影響を与えるその力に、ユウは驚きと尊敬を覚えた。
一瞬の静寂。香りが交錯し、胸の奥でざわめきが残る。ミオの勝利は、ただの結果ではなく、ユウに香りの力を改めて実感させる瞬間となった。胸の奥の熱、呼吸の乱れ、肩や指先の微細な反応――すべてが官能的余韻として残る。
「ユウくん……ありがとう。香りで触れられるって、面白いね」
微笑むミオの言葉が、胸の奥の熱に甘さを加える。香りはただの勝敗を決める道具ではなく、心と体に触れる力。その余韻が、微かに肩や指先に残り、ユウの胸をじんわりと温める。
ユウは微かに微笑み、胸の奥のざわめきを感じながら深呼吸する。香りが心を揺さぶり、体に官能的余韻を残す――それが香式の真髄であり、ミオとの初めての勝負がその感覚をユウに教えてくれたのだった。




