表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ヒャル・ナイルの独白

古ノルド語とフィリピン語が入っています。後、短いです。ご了承ください。

希望は欲の塊。

そう僕は思ってる。


愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。あいしています。あいしています。あいしています。アイしています。アイしています。アイしています。アイしています。アイしています。アイしています。アイシテイマス。

愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。あいしてる。あいしてる。あいしてる。あいしてる。アイシテル。

だから強くなれ。だから強くなりなさい。私たちの誇りなのだ。お前は。最高傑作なのだ。あなたは素晴らしい子よ。あなたは希望なの。


何回も何回も何回も、その言葉を聞いた。吐きそうになるぐらい、その甘ったるい声を、気持ち悪い声を。聞いた。

気持ち悪いなぁ、やめてくれないかなぁ、なんで僕にこんなこと言うんだろう。“愛”なんて、僕にくれたことないのに。なんでいうんだよ。なんで、なんで、なんで、いうんだよ。なんで、こんな小さい僕に。こんな、これっぽっちの力もない僕に。希望なんて言葉、小さい僕に通じるわけないのに。馬鹿だなぁ。愛してるなんて言葉、気持ちがなかったら何にも特別でもないのに。喜ぶと思ってるのかなぁ。愛してるっていってたら保護者としての役割を果たしてるとか思ってるのかなぁ。


そんなことを感じながら僕は育った。いや、僕がおかしいのは解ってる。僕は昔から、何故が大人にも負けぬ知識があり、頭があり、意思と感情があった。

三歳のころにはもうハッキングなんて簡単なものはできていた。

親、という保護もしてくれない大人は褒めてくれた。素晴らしいと。それでこそ私たちの最高傑作だと。


あぁ、気持ち悪い。

そう撫でられながら思った。


自分たちはできないくせに。

そう勉強で褒められたとき思った。


でも、でも


嬉しかった。


嬉しかったのだ。


矛盾している、と思うだろう。

でも、それでも。褒められてうれしかった。どれだけ愛されていなくても、僕自身を見ていなくても。

僕は子供だ。親から褒められて、嬉しいと思うのは当然だろう。

見てほしい。聞いてほしい。

愛してほしい。

そう、何度思っただろう。そう、何度願っただろう。

もう思い出せないほどの昔だ。


父さん。

僕はただ貴方に、貴方と遊びたかった。僕を愛していると、心から言ってほしかった。


母さん。

貴方の作る料理はとてもおいしかった。いつもありがとう。でも、望んでいいなら、僕を愛していると、心から言ってほしかった。


母さんは僕のことを、よく“ムル”と言った。母出身の地域の口語で愛おしい人という意味らしい。

愛してくれていないのは解っていたけど、それでも大切なものなのは変わりないだろう。僕はまだ、捨てられない。まだ、母は僕を大切にしてくれている。

自分の子供として思ってくれている。

そういう安心材料だった。


でも、でも、僕は知ってしまった。気づいてしまった。いや、そう思ってしまった。


ある言葉で“ヒャルムル”という言葉は兜や守るものという意味がある。

それを見たとき、僕は絶望してしまったのだ。

偶然なのか、必然なのか。

神様がいるなら、いいたい。僕が何をしたって言うんだと。

“ヒャル”が“ムル”が、僕の、人間である証が。

ぼろぼろと崩れていくのを感じた。


“ヒャルムル”


なんて、滑稽な、なんて、僕に似合った名前だ。なんて卑屈だ。なんて、なんて、なんて、苦しいんだ。


意味を解ってつけたのか解らない。いや、解っていないだろう。こんな、昔に亡くなった言葉なんて。


結局、僕は、彼らを守る、ただの、ただの、道具。


僕は“ヒャルムル”だ。最高傑作だ。


でも、両親が愛しているのは


二人の“オスキ”


ヒャルムルじゃない。オスキだ。


僕はただのオスキを守るためのヒャルムル。


こんなの、ただのこじつけだと解っている。ありえないと解っている。僕がロマンチストなのかもしれない。こんなことに苦しむなんて、おかしいと解っている。

それでも、知識があったために、僕は苦しんだ。


誰かにとってのオスキにはなれなかった。

そう思ってしまった。

だから、僕は壊れた。

願いを守るために、願われることを諦めた。

いや、違う。願われていたのだ。

僕は願われていた。道具であれ、と。願われていた。


だから、僕は、道具ではなく、いや、もう僕が気づかなかったらそう願ってくれてもかまわない。

人間として、ただの人間として、見て、希望を抱いてほしい。

道具じゃなくて、“ヒャル”を見てほしい。見てほしいんだ。


その幼少の記憶のせいか、僕は子供がとても空しい生き物と思っている。

何も力がないのに、期待され、道具にされる子供たち。自分自身と重なる。

優しく接し、仕方ないんだと伝える。それだけをして。

その子供に対しての、この感情が自分を殺めるなんて、考えもしなかったのだ。





私の都合により、第五話の投稿が遅れます。申し訳ありません。これからもこの作品をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ