2話
大長編小説にしてみせるぞ!
「はい、あーん。」
僕は今、紗季に餌付けされている。
「餌付けされてるって、そんな言い方ないでしょ。」
「ごめんって。でもなんで紗季が作ったものしか食べちゃいけないなんて言ったの?」
「それはね、人間の皮膚は一週間で入れ替わるの。
だから一週間、私の手作りを食べさせたら、皮膚の細胞は私の作ったもので出来上がるの…
とヤンデレの紗季姉さんなら言うでしょうね。」
「え?どう言うことだよ?」
すると顔を擦り始めた。
「私は紗季姉さんじゃないの。紗季姉さんに似せるためにメイクをしていたの。私は紗季姉さんの従兄弟の妹子なの。
私は私の紗季姉さんが取ったあなたが憎かったの。そしたら紗季姉さんがあなたを監禁しようとしていたから私が入れ替わったのよ。」
そう言うと紗季…じゃなかった。妹子が高笑いし始めた。
「あなたが今食べたものは毒が入っているの。もうそろそろ痺れて動けなくなるわよ。あと30分ぐらいで死ねるわよ。やっと紗季姉さんを独り占めできるわ。」
死にたくない。速く助けを呼ばなくちゃ。助けてと叫ぼうとしたが体全体が痺れて喋れない。
そ、そんな。僕はもう少しで死んじゃうのか。いやだ。まだ紗季に自分の気持ちを言えていないのに。
このまま死ぬぐらいならせめて最後に紗季に会いたい。
サクッ
目線を上に上げると妹子を刺した紗季の姿が。
「な、なんで。紗季姉さん。」
サクッ
「やめて、おねが…」
サクッ
サクッ
サクッ
一瞬の出来事だった。気づいたらもう妹子は息絶えていた。
あまりの衝撃に空いた口が塞がらない。
いや、そういえば僕はもう動けない設定だった。読者の皆さん。それぐらい驚いた意味だよ。絶対に怒らないでね。
すると紗季が僕の方に近づいてきて、
「だいちゃん。なんか喋ってよ。ねえ、お願いだから。だいちゃん、私にはあなたしかいないの。結婚の約束はどうするのよ。ねえ、だいちゃん。ねえ。」
こんなに取り乱す紗季は見たことない。僕はこんな紗季は見たくないよ。紗季には笑っていてほしい。
僕は最後の力を振り絞って「好きだ」と、か細い声で言った。
「だいちゃん、ごめんね。私も好きよ。」
紗季はそう言うと僕の口に唇を押し付けた。
唇と唇が触れた瞬間、僕の体の痺れがなくなって動けるようになった…
実際にはそうはならず動かないままだ。
僕は紗季の未来が良いものになるようにと願いながら死の眠りについた。
こんなことになる前に伝えたい気持ちは後悔しないように伝えよう!
次はどんな小説書いてほしい?できる範囲で頑張るからコメントください。