「卒業旅行〜タカヤマってどこ?ホントに推し卒!?」
『卒業旅行』は、四人の大学生が繰り広げる、ちょっと不思議で心温まる旅の物語です。渋谷ヤマシタパークのカフェでの何気ない会話から始まり、誰もが知らなかった「高山」の魅力に引き寄せられて、彼らはそれぞれの思い出や未知の世界と向き合います。リーダー格のダイスケの海外志向、内気ながらも過去を知るエミリ、落ち着いたショウタ、そして裏垢で活躍するユキ―個性豊かな4人が、費用や現実的な制約を乗り越え、ひと夏の冒険に出かける姿は、青春ならではの熱さと切なさ、そして笑いを届けてくれるはずです。
また、本作は番組「Hit’s Me Up!」の公式サイトをはじめ、Spotify、Amazon、Appleなど各種Podcastプラットフォームでも視聴可能です。文字だけでは伝えきれない、声優たちの情熱あふれる演技とサウンド演出で、また新たな魅力を感じていただければ幸いです。どうぞ、彼らとともに、懐かしさと発見に満ちた旅路へとご招待します。
<『卒業旅行』>
■プロット:
渋谷ヤマシタパークのカフェ。大学生の若者4人が卒業旅行の行き先を話し合っている。リーダー格のダイスケは海外旅行に固執しているが、円高もあり費用面で断念。そんななか、ユキから「高山は?」という声があがる。その場の誰も行ったことのない「高山」についてみんなはいろいろ調べていくと・・・
<登場人物たち>※全員大学3年生/ショウタ以外は全員文芸部
・ダイスケ・・・部活(文芸部)のリーダー/明るくて活動的/ツアー会社志望
・エミリ・・・脚本家志望/内気で内向的/実は小学校まで高山に住んでいた
・ショウタ・・・ダイスケの友人/落ち着いて知的/先端IC会社に内定済
・ユキ・・・裏垢で覆面YouTuber/バーチャルトリップで全国各地を訪ねている
【資料/国府の飛騨もも】
https://hidakokufu.jp/enjoy_taste_heal/227/
※Emily追加コメントはすべて赤色 /湯浅追加コメントは緑色
[シーン1:渋谷ミヤシタパークのカフェ】
■SE/カフェの雑踏(環境音)
ダイスケ(太陽のように輝く顔のアップから):
「ようし!ハワイかグアムで決まりだ!」
・呆然とした顔の3人
ユキ(スマホをいじりながら、顔を上げずに):
「なに?ダイスケ!?卒業旅行で?」
ショウタ(肩をすくめながら冷静に):
「無理だな。いくらかかると思ってる?」
エミリ(小さな声で):
「円高だし・・」
ダイスケ(少しむっとしながら):
「なんだよ、ショウタもユキもエミリも。一生に一度の卒業旅行だぞ?
お金の問題じゃねえだろ」
ユキ(スマホをいじりながら、顔を上げずに):
「私、飛行機無理だから」
ダイスケ(肩をすくめながら冷静に):
「じゃどっちみち海外ダメじゃん」
エミリ(小さな声で):
「高山とか・・」
ダイスケ(冷静に):
「は?エミリいま、なんてった?聞こえねえぞ」
ユキ(スマホの画面をこちらに見せながら):
「高山だよ」
ダイスケ(首をかしげながら):
「タカヤマ?なんだそれ?」
ショウタ(パソコン触りながら):
「高山祭、が有名みたいだな」
ユキ(スマホの画面をスクロールしながら):
「古い町並、朝市、さるぼぼ・・」
ダイスケ:
「う〜ん、なんか聞いたことあるようなないような・・」
ショウタ(パソコン触りながら):
「日本で一番広い市町村らしいぞ。
東京都と同じ広さみたいだな」
ダイスケ:
「へえ〜マジか」
ユキ(スマホの画面をスクロールしながら):
「温泉もいっぱいある」
ショウタ(パソコン触りながら):
「標高2156mのロープウェイだって」
エミリ(小声で):
「うんうん」
ショウタ(パソコン触りながら):
「朴葉みそ、みだらしだんご、高山ラーメン、飛騨牛・・」」
ユキ(スマホを置いて):
「飛騨牛食べたぁい!」
ダイスケ:
「なんか、いろいろいっぱいあるんだな」
エミリ(小声で):
「だって高山だもん」
ユキ(スマホを置いて):
「さっきから聞こえてるけど、エミリ、高山行ったことあるの?」
エミリ(小声で):
「・・小学校まで住んでた」
ダイスケ・ショウタ・ユキ
「ええええええ」
ダイスケ
「先に言えよ」
ショウタ:
「なあエミリ、高山のこと教えてくれる?」
ユキ(スマホを置いて):
「ネットじゃわからないこと知りたい」
エミリ(少し大きい声で):
「10このエリアごとに、いいとこも美味しいものもいっぱいだよ」
ショウタ:
「卒業旅行、高山で決まりだな」
ダイスケ
「エミリ、案内よろしくたのむぜ!」
[シーン2:高山駅前】
■SE/高山駅前の雑踏(環境音)
ダイスケ:
「きたぞぉ!高山!」
ショウタ:
「キレイな駅だなあ」
ユキ(スマホを見ながら):
「早く飛騨牛食べたぁい!」
エミリ(深呼吸しながら):
「高山だぁ〜」
ダイスケ:
「ようし、みんな!
高山、思いっきり楽しむぞぉ!」
ショウタ・ユキ・エミリ:
「おぉ〜っ!」
※4人がジャンプするストップモーションでエンドクレジットへ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。『卒業旅行』は、日常の中に潜む非日常の輝きや、過去と今が交差する瞬間を描こうと試みた作品です。キャラクターたちの軽快な会話と、ふとした一言に込められた思いは、私自身の学生時代や旅先での出会いからも影響を受けています。特に、高山という場所の奥深い魅力――歴史、文化、そして美味しい食べ物たち――に魅せられたエミリの告白は、実際の参考資料(国府の飛騨ももの記事など)からもインスピレーションを得て描かせていただきました。
Podcast版では、脚本に加えて声の表情や音響が、また違った感動をお届けできると自負しております。もし気に入っていただけましたら、ぜひ各プラットフォームでの視聴・評価・感想をお寄せください。皆様からのフィードバックが、今後の創作活動の大きな励みとなります。改めまして、心からの感謝を込めて。