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27 仕返し


といった感じで美晴(みはる)の部屋に拉致され、今現在二人きりで密室にいるわけだが。


当然の如く遥輝(はるき)に何かをする気はないし、そもそも勇気もない。


だが美晴はどうだろうか。


最近はよく家に泊まりに来るし、一緒のベッドにいるときなんて毎回のように誘ってくる。


今まではなんとか気合いで耐えることができていたが、今日はわからない。


美晴もかなりご機嫌のようだし、もしかしたらいつも以上に迫ってくるかもしれない。


もしそんなことがあれば、完全に疲弊している遥輝はついOKをしてしまうかもしれない。


だからこそ、この状況はマズイのだ。


というわけで早くこの部屋から出て行きたいので遥輝は疲れたアピールをしながらドスンと座り込んだ。


「もしかして疲れてるの?」

「はい、まあ。色々ありましたからね」


疲れの要因はほぼ美晴にあるのだが、それは口にはせず。


遥輝は目を瞑って眉間にシワを寄せ、そこに指を当てて露骨にアピールを重ねる。


すると突如美晴の両手が肩に乗せられ、そのまま身体を横に倒されてしまった。


「!?」


遥輝は現状を理解できないまま頭に伝わる柔らかい感触だけを感じた。


「えっと、これは一体…」

「ん?膝枕だよ?」

「いやそうじゃなくて。なんで膝枕を?」


突然の美晴の行動に疑問を持ち率直に問いかけると、美晴は綺麗な笑みを向けてきた。


「したくなったからだよっ」

「…」


あまり理由になっていないが、まあ心地いいので良いとしよう。


それより今はここから脱出する方法を…


(気持ちいぃぃ…)


いや、今の遥輝にとって脱出なんてどうでもよかった。


モチモチで柔らかく、そしてほんのり温かい美晴の太ももに魅了され、遥輝は完全に身体の力を抜いた。


そしてそれを察した美晴は嬉しそうに頭を撫で始めた。


「ふふっ♡今日の遥輝くんはいつにも増してかわいいね♡」


そんな呑気なことを言いながら嬉しそうに頭を撫でてくるが、遥輝からその顔は見えなかった。


それはなぜかというと…


(お山が二つある…)


と、いうわけだ。


美晴の立派な山が遥輝の顔の上にそびえ立っており、美晴の顔はそれに完全に隠れてしまっているのだ。


まったく、なんと立派なものを持ってやがるんだけしからん。


…………


(でも、今俺がお願いしたら…)


十中八九、美晴は喜んで触らせてくれるだろう。


嬉しそうに微笑む美晴の顔が目に浮かぶようだ。


いやお願いしないけどね?


流石にそれは早すぎるというか、一線を超えているというか。


(流石に結婚してからかなぁ…)


遥輝は美晴を極限まで大切にするつもりだ。


それの表れが今日の出来事だろう。


美晴のためであれば、どんな苦痛でも耐えられた。


どれだけ苦しくても立っていられた。


そんな風に美晴という存在自体が遥輝にとって自分を奮い立たせるための大事な要因でもあった。


だからこそ、アレの面で奮い立ってしまえばもう歯止めが効かなくなりそうである。


なので遥輝は今日も自分の中の獣を押し殺しつつ、美晴の太ももの上で眠りについた。


「あれ、遥輝くん?もしかして寝ちゃった…?」


美晴は遥輝にそう問いかけるが、返事は返ってこない。


その沈黙が遥輝が寝ているという合図であり、美晴はそれをわかってから遥輝の頭から手を離した。


そして遥輝の顔をこっそり膝の方までずらし、完全に顔が見える状態に持ってきた。


(寝顔可愛いなぁ♡)


美晴は遥輝の寝顔をガン見しながらニコニコと微笑んだ。


それから十秒ほど遥輝の顔を眺めていると、顎の方が少し赤く腫れていることに気がついた。


美晴はついそちらの方に手を伸ばし、痛まない程度にそっと触れた。


(遥輝くん…こんなに可愛いのに、いざという時は私のことを助けてくれて…)


美晴は遥輝に対する認識を少しだけ改めた。


前から頼りになるのは知っていたが、ここまでとは思っていなかった。


だからこそギャップを感じ、なんとなく感情が昂ってきた。


「(カッコよすぎるよっ)」


美晴は少し拗ねたように遥輝にそういうが、当然その声は届いていない。


「(ずるいよっ。私ばっかりドキドキさせられて)」


遥輝の顔を見つめながら少し文句を言うが、遥輝の口は一切動かず。


それを確認した美晴は一瞬でやり返しをしてやろうと考え、パッと顔を近づけた。


「(遥輝くんが悪いんだからねっ)」


美晴は遥輝にキスをした。


それが唇になのか、首筋になのか、それとも両方なのか。


どれが真実なのかは、遥輝が起きた頃にわかるだろう。


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