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TS転生巫女は今日もてんやわんや。それでも勇者を助けて世界を救います。  作者: 無限飛行


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第30話 グララ登場

◆タコマリウス王国王都

北世界神教会併設孤児院前

ケイ(敬)視点


「な、これは?!」

『ミコ!!』

『『『『『『『きやああ!?』』』』』』』

『『『『『『うわわーん?!』』』』』』



変な声が聞こえたと思ったら、激しい揺れとともにオレの回りに土壁が出来てた!?

ラーラさんとオレが分断され、揺れに驚く子供達の悲鳴!

くそっ!どうなってんだ?



((くくく、巫女よ。お前を守る勇者はいないようだな?ならばこのまま魔王様のところまで付き合ってもらおう))

「誰だ!?姿を見せないなんて卑怯だぞ!」



バキバキバキッボコッ

ギュンッ

「うわわっ?」



オレがそう言った瞬間だった。

足元の地面が割れ、そこから黒い触手?のようなものがオレの足に巻きついた?!



「うわあああ!?」



そのまま片足逆さ吊り上げをされ、身動き出来ないオレ!

ちくしょう?!



「この野郎、放しやがれ!!」

((随分と言葉使いが悪い巫女だな。本当に女なのか??))

「うるさい、余計なお世話だ!!」

((ふむ、この波動は間違いなく巫女。しかし不思議だナ。何故この場に勇者が居ない?))



はどう?波動か???

オレの身体に巫女特有の波動があるのか。

それがコイツを呼び寄せた?



「おい触手野郎!まさか一連の地震は貴様の仕業か?」

((じしん?何だ、それは??))

「この地面の揺れの事だ!」

((……フフフフ。よくぞ気づいた。それがこのS級モンスター、グララの特殊能力だ。そしてそれを操るは四天王ギュウギュウ王様配下である我ノーロイよ))

「!」



S級モンスター、グララだって?

この触手みたいなヤツの事か。


そしてそれを操るのは、オレが召喚された日に襲ってきて第一王子に倒されたあの牛男、の部下ノーロイ?

で、そのグララを操り王都に地震を起こしていただと?!


タコマリウス王国のある大陸において、過去に一度も観測されてなかった地震災害。

それが起きた時点でオレは、人為的な事を推測していたが、それが裏付けられたという事だ。


推測が当たって、だからどうだって事なんだが、くっそう、どうする?

今のオレには力が無い。

このまま魔王のところに連れていかれるだけなのか。

何か手立てはないのか!?





「ふん!」ドカァッ


「!?」

((何だと?!))



その時だった。

オレを囲んでいた土壁が吹き飛んだのだ。

そして粉塵の中から現れた人影、それは!



「ラ、ラーラさん!」

「ミコ!今助けるから!!」



ラーラさんは、たちまちオレの側まで辿り着くと、オレを拘束する触手?に手をかけた。

だが、全くビクともしない!



((ピャッピャッピャッピャッ、女、無駄だ。グララのヒゲを素手では解けん。邪魔立てするなら真の勇者の代わりにココで死ね))



ボコボコボコッ

ヒュンヒュンヒュンッ



いけない!

更に地面から現れた数本の触手、じゃなくヒゲなのか?

ラーラさんが危ない!



「ラーラさん、危険だ!子供達と逃げてくれ!オレは自分で何とかする!」



とは言ったものの、片足逆さ張り付けでワンピースが捲れて情けなくてハズい、じゃなく、オレのせいで恩人の彼女が危険に晒されてるのに、どうにもならない自分が不甲斐ない。

だ、誰か、彼女を助け



「うっやああああ!!」ブチンッ

「へっ?」

((…………は!?))



ラーラさんが触手、もとい、ヒゲ?をブチ切ったぁ!??



((き、貴様、まさか勇者候補なのか?フザケルナ!))


「ラーラさ、!」

「ミコ、舌を噛むから」

「えっ?」


ぐっ、タンッ

ビュウンッ

「わわっ!?」



ラーラさんはオレを抱えながら迫るヒゲを難なく避けると、一瞬で数メートルの高さまで飛び上がった。

何だよ、それ!

スゲェ!

たちまち孤児院近く、子供達の側に降りたラーラさん。

オレを下ろしつつ、近くにある瓦礫から木材の棒を手に取りグララのヒゲと対峙する。

ヤバい、男前過ぎて惚れてまう。



スタンッ

「私がアイツを抑える!ミコは子供達と避難して!!」

「ま、待ってくれ。このまま皆で逃げよう」

「無駄だね、アイツは私達を逃がさない。それよりミコが助けを呼びに行って。私はこの場で奴を引き留める!」



引き留める?

いや、いくらなんでもそれは無謀なんじゃ?!



((貴様、称号勇者候補だな!?無駄だ。グララを止める事は出来ん))


「称号勇者候補?」



何だそれ?

初めて聞いた話しだぞ。



「ラーラさん、称号勇者候補って」

「………いわゆる称号持ち。傭兵の中で単独で高位モンスターを討伐出来る、真の勇者に近いとされる勇者候補よ。私は剥奪されたから関係ない、けどね!」

ヒュンッバシンッ



す、凄い?!

ラーラさん、オレを背後に守りながら弓なりに迫るグララのヒゲを素手で弾いている。

これが称号持ちの力!

えっ?

キンニクメリー称号は伊達じゃないの?



「「「「「ラーラおねぇちゃん!」」」」」

「「「頑張れ、ラーラおねぇちゃん!」」」

「み、みんな?駄目だ、モンスターがいるんだ。ここを離れよう!!」



ラーラさんの活躍を見た子供達が一斉にコチラに近づいて声を上げる。

駄目だ、早く避難させないと!


ギュンッ

バアアーンッ

「がっ!?」ドカァッ



「な?!」

「「「「「「おねぇちゃん?!」」」」」」

「「「「「「「嫌だぁ!!」」」」」」」



子供達の悲鳴に振り向いたオレ。


そこで目にしたのは、大きく吹き飛んだラーラさんだった。


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