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星月夜

作者: 逢乃 雫

静けさに包まれた


月が隠れた夜



時もまた


音もなく流れゆき



夜会草の白い花が


行き先を照らす光のように




星月夜


星が月のように輝く夜



透き通る風が吹き抜け


金色の芒が揺れるこの丘で



空では雲の幕が開き


星の海があふれ出す



空の波間に


浮かんでいた月は


今は生まれ変わるため


姿を隠して




星月夜


星だけが輝くこの夜



見えなかった


心の中の星と出逢う夜



何気ない日々の中にある


誰かのやさしさ


誰かの笑顔の明るさ


誰かの言葉のぬくもり



それは心の空を


照らしてくれる


大切な、星々の光



あの時は気付かなかった


光があったかもしれない



まだ気付けていない光も


あるかもしれない



今なら感じられる光も


あるかもしれない



胸に手をあて


あらためて噛みしめる



胸に溢れる感謝も


瞳に宿る涙も


忘れないように




星月夜


たとえ月は見えなくても



見えないから気付く


月の光のあたたかさ



姿は見えなくても


今夜もこの空のどこかで



すべてを包み込むような


眼差しとともに



そんなやさしさ


明るさやぬくもりが


きっとある




たとえささやかでも


誰かの心の空の片隅で


星になれたら





星月夜


降り注ぐ星明かりの下で



月とまた、


逢えるまで















「星月夜」は、月のない夜に星が輝いている様子を表す、秋の季語です。明日9月26日は新月となり、本日から明日にかけては星月夜となりそうです。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  月が生まれ変わる夜。とても素敵な表現だと思います。  見えないだけでも、いなくなったわけでもなく、また、新しく。  姿がないことを寂しく感じないのは、再会が約束されているからなのかもしれ…
[良い点] 雫さんの生み出す物語。 浮かんでくる、見えてくる。 その、お言葉も意味もお話も…… いつも素敵な詩を心に届けて下さって ありがとぉございます。 [一言] 星や月、なのなのとても大好きなの…
[一言] 星月夜という言葉が綺麗だなと思ったら、秋の季語なんですね。お恥ずかしながら知りませんでした。 星だけが輝く夜空もきっと素敵だろうと思いつつ、最後の一節で月が懐かしくなりますね。 澄み切った空…
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