8話 武器とギルド
俺は今、グレイソンさんの馬車に乗っている。冒険者が集まる町コリンに向かっている。
「ミラ王女様と勇者様、もうすぐ冒険者が集まる町『コリン』が見えてくると思います」
「あら、もう着くのね」
「以外と近かったな」
そうなのだ、グレイソンさんが話を聞く為だけに止めてから1回も止まっていない。しかも、まだ太陽は真上に来ていない。体内時計で約2時間ぐらいだろうか。
「あれがコリンです」
コリンとゆう名の町が見えて来た。
王国の城壁に比べて、少し小さく出来ているがそれでもしっかり作り込まれている。
コリンの門の前まで行き、俺とミラは降りた。
「じゃあ、グレイソンさんここまでありがとう」
「いえいえ、ミラ様には恩がありますから。それと勇者様。ミラ様をお守り下さい」
「わかりました。ここまでありがとうございます」
「では、行きますね。またどこかでお会いしましょう」
グレイソンさんは、馬車を走らせて行ってしまった。
「さあ、行きましょう。『コリン』へ!」
「おう」
俺はミラの言葉で動き出した。
門番の近くに行き、門番の人が大きな声で
「身分証を見せてくれ」
と、言い出した。
マジか!身分証ない。ミラにどうすればいいか聞こう!
「ミラ、俺身分証持ってない」
「今日初めて村を出て来たから無いって言えば入れるわ。だから気にしない」
「それで行けるの?」
「行けるわ!王国に比べて管理は難しくないから」
「じゃあ、大丈夫か」
少し不安だけどやってみるしかないか。
「次の者来ていいぞ」
「私達の番ね。エイチさっき、言った通りにするのよ?」
「頑張ります」
やばい。何でか緊張してきた。
「身分証は?」
「あっ、その今日初めて村を出て来たから持ってないです」
「今日初めて村を出て来たのか?ならギルドに行って作るといい、通っていいいぞ」
あれ?本当にすぐ行けたな。ちょっと怖かったが意外と親切だな。
そういえば、ミラの身分証って王族の奴じゃないよな?少し進んでミラの会話を聞いていると、
「身分証は?」
「これです」
「王国の冒険者か。よし、通っていいぞ」
「ありがとうございます」
ミラの事だから策はあるだろうと思ったけどまさか、冒険者カードを持っているとは。
コリンにはすんなり入る事が出来た。
ミラの話では、これからギルドに向かうらしい。ギルドに行く前に思った事がある。そう、武器がない事だ。武器がなければ戦う事ができない。
「ミラ、俺武器持って無いけど大丈夫?」
「あっ!すっかり忘れてたわ。ちょっと待ってね。今探すから」
ミラは身に付けている『トレジャーバッグ』を前に持って来て探し始めた。
しばらくして、武器らしき者が出てきた。
「あったあった、これを渡すわ」
「これって、剣?でもこの形って」
渡された剣は日本人の男だったら一度は憧れる『刀』だ。家に親が剣道やっていて、木刀ぐらいしか見た事無かったが本物が見れるとは。
「あら、エイチこの武器が何なのかわかるの?」
「これは、俺が元いた世界の武器だ」
「だから、見た事が無かったのね」
「どこにあったんだ?」
「王国の宝物庫にトレジャーバッグと一緒にあったわ。見た事ない物だから、もしかしたらエイチが知っていると思って持ってきたわ」
「なるほど」
王国の宝物庫見てみたくなってきた。もしかしたら『刀』以外も見つかるかも知れない。そうだ!この刀の詳細をスキルで見てみよう。
「スキル【無知】」
---100年以上前に作られた刀---
特性
錆びることがなく、切れ味が常にに良い。折れた場合、自己修復が発動する。
その際に刀がより頑丈になり、強くなる。
「なるほどね。これが刀の正体か。この特性は使い勝手が良いな。これから世話になるな」
「エイチ今スキルって…」
何かに驚いているのか、ミラの体が震えていた。
「あ〜言ってなかったけど、俺が身に付けている眼鏡にスキルが3つ付いてたんだよ」
「何それーー!」
ミラは大声を出して驚いていた。近くを歩いていた人がびっくりしたいた。
「やべっ!ごめんなさい、仲間を驚かしただけですので気にしないで下さい」
コクコクと頷きその場を離れていった。
迷惑かけちゃったな。
「エイチ...後でそのスキルについて教えてね」
「お、おう」
物凄く冷静に言われた。なんか怖い。
「はぁぁ、ギルド行くわよ」
「はいっ!」
ため息をついてギルドに行く事になった。
ギルドに着いた。大きい。王国のギルドを見ていないからわからないけど。
中に入ったら、色々な人がいて騒がしい。ミラの後をついていって受付嬢の前まできた。
「受付嬢さん、この人にギルドカード作ってくれないかしら?」
「冒険者登録ですね。では、こちらに来て下さい」
「エイチ行くわよ」
「おう」
受付嬢さんは別の部屋に案内してくれた。案内された部屋のには、ステータスを測る時に使った水晶があった。
「ここに手をかざしてください。貴方の能力を調べてカードにします」
「わかりました」
俺は、戸惑う事なく手をかざして水色に水晶が光った。受付嬢さんがカードを出して水晶に当てた。
「これで完成です」
銅色のカードを渡された。
「ギルドのルールを説明します。
まず、そのカードですが絶対に無くさないで下さい。無くしたら作るのにお金を使うので」
「わかりました」
「次にカードに色についてですが、最初は全員銅色から始めます。規定数の依頼をすれば銅色から銀色に変わります。
その後、金、黒へと変わります。冒険者になった人は黒を目指して依頼をしているので頑張ってください。ちなみに、魔物を倒したら、素材を取って来て下さい。鑑定してお金に変えるので、話は終わりです。わからない事があったら遠慮なく聞いてください」
「わかりました。ありがとうございます」
今の話がギルドのルールか。わかりやすくて助かった。
部屋の外が急に騒がしくなった。
ドタドタ、言いながら慌てて1人の受付嬢が入ってきた。
「先輩大変です。この町に魔物の大群が!」
「何ですって!急いで冒険者を動かしてください」
「はいっ!」
返事をして、ドタドタなりながら部屋を離れた。
「貴方達、魔物の大群が来るみたいだから他の冒険者と一緒に戦うか、この町の避難指示をするか選んでください」
「もちろん、初めてで怖いですけど戦います」
初めて出会う魔物。あってみたい。そして、ミラからもらった武器を試したい。
「わかりました。一緒に来てください。
他の冒険者と一緒に指示を聞いて下さい」
「「はいっ」」
誤字等があったら教えてくれると嬉しいです。