閑話 王国の報告
—キャンベル王国•王室—
コンコン
「入ってよいぞ」
「失礼します」
王様が居る部屋に入ってきたのは、執事のアルベルトだ。
「ミラ様と逃げた勇者の向かった先が分かったので報告します」
「どこに行った?」
「コリンにいました。それでコリンの中での報告もあります」
王様は、コリンと聞いて少し考える顔をした。
「コリンの中の報告はなんだ」
「はい、モンスターの大群がコリンに攻めてきたようです。しかし、モンスターの大群は冒険者達によって壊滅したとの事です」
「それは何よりだ」
さすが、冒険者達だ。と感心しているような顔をしている。
「はい、ですがその中にミラ様と勇者がいたそうです。しかも、大群のボスを倒したそうです」
「なにーーー!」
驚いた顔をした。
王様はある計画の為に動いている為、あまり驚かないのだが珍しく驚いてくれた。
「すまん、驚きすぎた。それでその後はどうなった?」
「それが•••魔力が尽きたらしく倒れてしまったようです」
「そうか」
また何かを考える顔をした。自分の子供の事になるとよく考える癖があるから、親バカなのだろう。
「報告はそれだけか?」
「いえ、王国内での報告が残ってるます」
「聞こう」
「まず、首輪をかけ洗脳した勇者様達ですが順調に力をつけてきています」
「それは何よりだ」
洗脳した勇者様達が力をつければ、王国の戦力になる。この事を考えればこれは良い報告だ。
「次に悪い報告です。先週から王国の経済が悪くなりつつあります」
「やはりか」
王様は気づいていたかのような答えをした。
「気づいていましたか、流石です」
「原因はやはり、あの実験のせいか?」
「おそらくそうかと」
あの実験とは、ある計画の一つの実験だ。実験が中々成功せず、副産物として環境破壊が起こり作物等が枯れてしまっている事だ。
「どうすれば、成功するのだ?」
「勇者の力を使えば良いのではないでしょうか?勇者の力を使えば、成功するかもしれません。これは一種の賭けです」
「賭けか。賭けに乗るしかないか。よし、勇者の力を使おう」
「では、そのように手配します」
その後、いくつかの報告をした。
「報告は以上です」
「うむ、ならばさがってよい」
「はっ!」
アルベルトは王室を出た。
出たのを確認して自分も立ち窓側に行った。
「ミラ、お前の周りにはこれから様々な事が起こる。それを自覚して再び我の前に来い」
王が何を企み実行しているかはわからない。もしかしたら、誰かの為に実行しているのかもしれない。
これで1章を終わりです。次回から2章です。