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最後の授業

外国語を使うのに苦労しました。バトル回はもしかしたら書くのに時間かかるかもしれません。


「おいおい、嘘だろ…こいつ、まさか!?」


「そう!最後の授業はこのケルベロスを倒すことです!」


そう言うと同時に再びケルベロスは開戦の合図かのように雄叫びを上げた。


「ッッッ!?」


即座に身体強化をしつつ、後退する。直後、先刻までソフィア()がいた空間が切り裂かれる。音速に限りなく近い速度で切り裂いたことによってごぉっと風音が鳴った。


(まずい…少しでも気を抜いたら切り裂かれる!)


何度か追撃しようとしてきたが全てを避ける。そして、再び六つの目が凝視する。


「くっ!」


金縛りが解けた瞬間に全力で後退する。かろうじて獲物は避けたが衝撃波は避けられなかった。

ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"________________三つの口がソフィア()を襲う。今度は《縮地》で避ける。そして、


「セット!」


そう唱えるとソフィア()の周囲に無数の弾丸が魔力によって生成された。そして、


「ショット!」


空中に停滞していた弾丸がケルベロスに向けて一斉に放たれる。弾丸は過たず全て命中した。だが、それは()()()()()()()()()。何事も無かったかのように存在しているケルベロスにソフィア()は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。だが、その表情には、次の行動を思考しているのもわかる。ケルベロスは牽制として炎を吐いてくる。それに対して、ソフィア()は刀を鞘ごと生成し、


「斬撃・残!」


そう叫びながら虚空を切り、後退する。すると炎は先程切った軌道を通った瞬間、そこを中心にニ方に別れた。斬撃・残、これは魔力を使わずして、刃で切った軌道の部分に斬撃が残ると言う、驚異的な集中力と圧倒的な才能によって使える気力と呼ばれるものを応用することで初めて使うことのできる技であり、ソフィア()が独自に考えた剣技である。


「そっちがその気なら…私も本気を出さなきゃな。斬撃・飛!」


斬撃が飛び中央の顔の右目が切り落とされる。ケルベロスがグァ"ァ"ァ"ァ"_______________と叫び、周りに瘴気を一気に放出した。


「斬撃・波紋!どこだ!はっ、しまッッッ!」


斬撃・波紋により周囲の瘴気を吹き飛ばしたが、もうすでに背後回られていた。衝撃を緩和させるため、後退しつつ、かろうじて刀で抑えたが刀は砕け30メートルほど吹っ飛ばされた。幸いにも一撃でダウンはしなかったが…


「さすが地獄の番犬…衝撃を緩和したっつうのに骨が何本か折れたぞ…だが、お前の正体はわかってるからな、対抗策なら何個かある!《Προκαλώ (我、試練に)τη δίκη(挑みし者。).Θα σε(我、汝の) ακολουθήσω(道を進みし) Έλληνα(者なり。).Είναι(しかして、) δύσκολο(汝が歩みし道は) για μένα(我には不可能な道なり).Τότε δείξε(ならば、今、我に) μου τώρα(今一度、).αποδείξει(汝が汝とたらし) ότι είσαι(めんがために、) εσύ(此処に証を示し給え!).Σχοινί(ヘラに祝福されし) Ηρακλής(者の呪縛!)!》」


詠唱が終わるとともに、刀を地面に突き立てたかと思うと刀が消え、地面から鈍く輝く無数の鎖が飛び出しケルベロスに巻きついた。だが、トドメの一撃の前に、ピキッと鎖の悲鳴が聞こえた。


「なっ、嘘だろ!お前を捕まえたヘラクレスの加護がついたんだぞ!まさか、失敗した?いや、失敗したのなら反動が来るはず…それとも本当はヘラクレスはケルベロスを捕まえていない?…それも違うはずだ。例え、捕まえていなかったとしても()()()()確実に捕まえている。魔術において、その者がしたという事実よりも虚実の方が信じられていれば虚実を基に使った方が効果が上がるはずだ…だったら…まさか!」


避けながらブツブツと呟いていたソフィア()は何かに気づき、安全の為、結界を張ってお茶を飲んでいるウィズの方を向いた。ウィズがその視線に気づき、さっと明後日の方を向く。ソフィア()の目がジト目になる。避けながら。どうやら、ウィズがケルベロスに伝承を無効化する魔術をかけたらしい。そして、諦めたのかこちらを向いて左手を顔の上の方にあて、敬礼しながら「健闘を祈ります!」と言った。ソフィア()が笑う。ウィズの額から汗がダラダラと流れる。まだ笑っている。戦闘中でありながら…親指をウィズと同じように立てる。そして、それを首の方にやり首を切るジェスチャーをして最後に親指の先を下へ…ウィズが結界を三重、四重に固める。


「ウィズ!テメェー!」


「わぁー!私のコレクションのティーセットがぁー!あ、へぶしっ!」


《空間跳躍》をしてウィズに一撃を与え、直ぐに離脱。そして、ついでにと、ケルベロスの顔に跳躍して目玉を抉る。ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"__________________。再び響くケルベロスの叫び声。怒りでがむしゃらに暴れる。しかし、先程までとは天地の差ほどある動きをするソフィア()を捉えることはできない。


「ケルベロス以外にももしかしたら出してくるかと思ったが…おっと危ねぇ危ねぇ。…この感じ、《身体強化》もしてるな。じゃあ、確定だな…敵はあいつだけだな。だったら魔力全開でいくぞ!《魔力炉・解放!》」


そう唱えると体中に縛られていた濃密な魔力があふれ出した。結んでいた髪が圧縮された魔力の渦によってほどかれる。一瞬、右目が髪に隠れたかと思うと青かった瞳が黄金に輝いていた。黄金の瞳がケルベロスを捉え、目を見開く。直後、見開かれた瞳の輝きが増すと同時に、濃密な魔力の渦が収束し、


「 《《koma(擬似召喚、)Gungnir(グングニル!)》」


手元に槍が現れた。だがそれは確かに槍とは認識出来るのだが…靄のようなものによって色、柄、形を正確に認識できない、いや、あれは…()()()()()()()()()()。脳が認識しないのではない、槍自身が人ごときに認識されまいと絶えず変化しているように見える。


「お、グングニルを呼びましたか。劣化版ではありますがなかなかの精度ですね…ですが、必中程度ではケルベロスは倒せませんよ。」


ウィズの不穏な言葉が響く。そして、それに応えるようにケルベロスが吠えた。声は出ず、辺りは一瞬、無音の世界なった。次の瞬間、ケルベロスの体を黒い瘴気が包む。闇の中から六つの赤黒い光がソフィア()を睨む。


「再生、か…生半可な攻撃じゃぁ倒せないってわけか…」


ケルベロスが吠える。今度は音を付して。同時に、瘴気が主の命に従い襲いかかる。とっさに空中に避ける。しかし、瘴気は追い続ける。それをグングニルを以って払う。一回転、二回転しながら瘴気を払い、槍をさらに回転させる。そしてソフィア()の視線はこの状況であったとしても、ケルベロスを射抜いていた。そして、唱える。


「《我が勝利を穿て!勝利をもたらす(グング)必中の槍(ニル)!》」


回転によって加速したそれは言うなればそれは一条の光。あまりにも強すぎるその光は、すべてを消し去る勢いの熱をはらんでいた。投擲から射抜くまでの時間は言うまでも無く一瞬だった。ケルベロスの身体が膨らむ。直後、ケルベロスは風船のように呆気なく破裂してしまった。血肉の雨が降る。頭上に戻ってきたグングニルはピキッピキッと音を発して砕け散る。どうやらあの精度ではせいぜい一投が限界だったようだ。ふうっと一息つき、ウィズ達の所へ向かおうとしたその時だった。


「オエ、ゲホッ!?ハァ、ハァ、ゲホッ、オエ!?」


全身に寒気がし、耐えられず胃の中が空になるほど吐き出す。息が上手く出来ない。身体中が倦怠感とともに痺れ始める。脳に酸素が行かない。身体が足りないと叫ぶ。肺の気体交換が上手くいかない。身体が動かなくなるのにつれ、心臓だけの動きが増す。更に、


(?血が何処かに吸い寄せられている…!嘘、だろ…)


「!童様!ウィズ早く助けないと!」


「まだ駄目です。」


「どうして!もうケルベロスは倒したではありませんか!」


だから、まだ倒せていないんですよ、お嬢様。」


「え…あ、なん、で…だって、だってさっき…」


()()()()()()()()()()…。


ケルベロスの血肉がゆっくり、しかし確実に一点に集まり始めていた。生きているはずがない。グングニルは確実に核を穿った。だが、今、目の前に映っているものは真実だ。ならば、今この事実の答えはたった一つであろう。そう、()()だ。そしてその能力を付与したものは彼女だろう。最悪の状況。ケルベロスの毒といえばトリカブトの毒だ。服用すれば数十秒で死に至らせる即効性の毒だ。


(…毒自体は何とかなる。だが、ケルベロスの蘇生よりも先に解毒しなければならないとなると…まずい。クソッ!こんなことならトリカブトの構造を覚えておくべきだった。)


ソフィア()の魔術ならトリカブトの毒を分解できる。しかし、今、毒を受けている状況では分解することはできるが、最低でも1分はかかる。更にケルベロスの蘇生速度は上がっていく。


(理解しろ。もっと早く。物質の構造を理解しろ。細部を一つ一つをじっくりと見るのではなく、全体をスキャンするように見るんだ。そして、分解するんだ。ハサミで一つ一つ切り離すように分解するのではなく、シュレッダーで一気に切るように。そしてー)


ケルベロスが吠える。どうやらソフィア()よりも早く完全蘇生したようだ。ケルベロスが走る。それはもはや一陣の風。一瞬でソフィア()の眼前まで詰め寄る。死神の鎌の如くケルベロスの鉤爪が振り下ろされる。ついにソフィア()は動くことなく切り裂かれた。


ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ーーーー


ケルベロスの遠吠えが勝利を確信と言いたげに響く。そして、ソフィア()を喰らおうとした時、ケルベロスは気づく。何かがおかしいと。そう、おかしいのだ。切り裂かれた肉からは血が一滴も流れていないのだ。おかしい。生きている人を殺したら必ず血が流れるはずだ。少なくても今までケルベロスが殺したもの達はそうだった。切り裂かれても血が流れないものなど死者か、或いは……()()()。そして、ケルベロスの考えは当たっていた。


「正解だ。ワン公。」


後ろから聞こえるその声は耳が良いケルベロスに分からないはずがない。振り返り、見る。そこには……

ソフィア()だ。切り裂かれた後どころか毒によるダメージも見られない、今までの比ではない程の殺気を有すソフィア()がいた。


「お返しだ。」


ソフィア()がフィンガースナップをしたと同時にケルベロスの全方位から槍が突き刺さる。だが、その程度の攻撃ではケルベロスは怯まない。全身の筋肉を収縮させ、一声吠えて傷を癒しながら迫る。そして再び鉤爪を振り下ろす。今度は確実に捕えた。ソフィア()の身体から血が飛び散る。だが、ソフィア()()()()()()。再び響くフィンガースナップ。すると、飛び散った血、切り裂かれた肉がまるでまき戻しのように戻っていく。そして、


「《《koma(擬似召喚、)Gáe Bolg(ゲイボルグ)!》」


ゲイボルグをケルベロスに突き刺す。ゲイボルグはケルベロスの体内で破裂し、30の棘となって血管という血管に突き刺さる。中央の頭が吹き飛ぶ。ケルベロスが必死に吠える。だが、()()()()()()。ゲイボルグ、それはケルト神話の大英雄クーフーリンの持つ槍であり、ゲイボルグで傷つけたものは一生治らない、敵の全身に毒を残すと言われている武具である。しかし、ソフィア()が用いているこの魔術は不完全な召喚術で一撃で破損するが能力の一部をある程度使えるものであり、今回のゲイボルグの不治の能力は持って()()()()()()()()()だ。ケルベロスが唾を飛ばす。だが、ソフィア()の目の前でふっと消えた。


「その毒ならもう()()()()。」


ケルベロスが低く唸る。その瞳には、ソフィア()への怒りで満ち溢れている。だが、その身体は毒が回り、まともに動けないでいた。


「これなら確実に当てられる。これで終わりだ。ワン公!《礎は黄金の輝き、布石は銀の道程。我、悪を断罪せし者、我、星を統べし者。汝の王の命に従い、今宵、我道を照らせ。宇宙(そら)の星よ、空に一線を描いて、悪しき者を射殺さんがため、ここに落ちよ。降星滅魔!》」


地が震える。星の明かりどころか月の明かりさえも消え去る。ただ見えるのは巨大な影のみ。星が落ちる。それは、ただの大質量の塊であるが、そのシンプルが故の圧倒的な威力。直径50メートル前後だろうか。冷静に見ればその程度なのにあまりにも迫力があり、見誤るほどのものだった。ゴゴゴゴゴゴと地鳴りのように響く。ケルベロスは毒の痛みも忘れ、ただ単に降星を見つめるだけ。対するソフィア()も防御結界の一つもつけずにただ立っているだけ。そして、すぐそこまで迫った時、


scientifi(科学)cally() alchemy(錬金) magic(魔術)。それが私の魔術だ。」


そういった瞬間、降星は地球()に触れ、カッと光になって爆ぜた。

次回も来週の同じ時間を予定しています。これからもよろしくお願いします!

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