表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】異世界帰りの元勇者ですが、デスゲームに巻き込まれました【本編完結】  作者: 空地 大乃
第九章 様々なデスゲーム編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/202

番外編⑧ その八 二人のデッド

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「茶番はそこまでだ。お前たちにはこれから私のデスゲームに参加してもらう」


 デッドJrがそう告げた直後、キンッ! と金属の張り線が切れるような音。


 かと思えば、少年少女の枷が一斉に床へと落ちていく。


「な! 馬鹿な! 特殊合金で出来た枷をどうやって!」

「本当に切れてる! あれ? 俺、何かしたっけ!」

「いや何であんたまで驚いてんだよ!」


 目を白黒させる泰斗に、シンキチのツッコミが炸裂する。とはいえ泰斗が驚くのも無理はない。異世界帰りの自分のパワーでも砕けなかった枷が、どういう理屈か“勝手に”切れたのだ。頭上に浮かぶ大量の疑問符は、もはや装飾レベルである。


「ふふふっ、遂に私の時代がきたわね。そうでしょう? オニイサマヨ!」

『勿論だいもう……いや、主を助けるのは我が務め』


 声を発したのは菜乃華(なのか)だった。手には木刀――ただの木ではない。紫のオーラをまとい、「すごい力を秘めてますよ」という顔を隠そうともしない妖刀(ようとう)である。


 全員の枷を切ったのもこのオニイサマヨであろう。


「あ、私にも弓が! えっと、頭に何か浮かんでくる……これがアマテラスの弓!」


 真弓(まゆみ)が確信めいて言い放つ。その手の弓は一見ただの和弓だが、なんか凄いキラキラしていた。


「最後の説明が雑ぅうぅぅう!」

『ツッコむなぁ』


 雑でも強い。それがこの世界の理である。


「真弓ちゃん、やったね! 弓道部で頑張ってきたご褒美だよ!」

「えっと、弓道部だったの?」

「あの餓鬼との一件から、弓道に目覚めていたのだ。知らなかったのか?」


 当然といった顔の美狩(みかり)に、シンキチは全く耳を貸していない。


『落ち込むなシンキチ』

「べ、別に落ち込んでねぇし!」


 強がるシンキチの肩を、泰斗がポンッと優しく叩く。その目はどこか同情的で、しかも父親味が出ているのが少しずるい。


「お前たち、私を差し置いてさっきから好き勝手ばかりしてるな。もういい! 来い、強化人間二百号!」


 デッドJrが叫ぶや、あれ? そんなの用意されてたっけ? と首を傾げたくなるほど唐突に、液体の満ちたカプセルが破裂。中から“人間らしきもの”が姿を現す。


「フフッ、こいつは強化人間二百号」

「それもう聞いた」

「二百号って、二百人目ってことか? よくそんなに作ったな」

「他の百九十九人はどうしたんだ?」

「うるさい! いいから聞け! とにかくこの二百号は、父が作った強化人間よりはるかに優れている! その力、父の最高傑作イデオフの三倍! さぁ、やれ!」

「そんな危ないもの、世に出しちゃ駄目!」

「先手必勝だね、菜乃華ちゃん!」


 話を聞き切る前に、菜乃華のオニイサマヨが紫電をまとった斬撃を飛ばし、真弓の“アマテラスの弓”から放たれた矢がレーザー光へと収束して貫く。


 結果――強化人間二百号は、何もできずに砕け散った! 砕け散った! 砕け散った!


「そ、そんな馬鹿なぁああああああ!」


 デッドJrが目を剥き、その場にがっくり崩れ落ちる。


「馬鹿な……百五十年ローンを組んでまで作り出したというのに」

「それ、よく審査下りたよね!」


 即座にシンキチがツッコむ。このご時世、どこの変わり者がそんなローンを組んでくれたというのか。


「残念だったな、デッドJr。お前の野望はここまでだ」


 仁王立ちでキメる泰斗。やってやった感は満タンだが、実際のところ彼はほぼ何もしていない。あえて触れない優しさが、場の空気を守っている。


「そこは触れないであげて!」


 シンキチのツッコミにも、どこか同情が滲んでいた。


「くそ! 父の無念を、私が晴らそうと思ったのに!」

『ならば、私も協力しようではないか――息子よ』


 天井から降る、重低音の声。直後、天井板が爆ぜ、全身これ金属と言わんばかりの巨躯が舞い降りる。床が軋み、空気が震え、誰もが息を飲んだ。


「な、お前はまさか! デッド!」


 泰斗が叫ぶ。機体の頭部には、液体で満たされた筒状の容器が据え付けられており、その中に浮かぶのは人の顔――そう、あのデッド博士その人であった。


 仮面越しのデッドJrが、嬉々として両腕を広げる。


「父上……! 生きていたのですね!」

「無論だ。息子よ――私がそう簡単に死ぬものか。さぁショーの続きだ。観客を退屈させるな」


 そう言ってデッドが天を指さし、金属の咆哮が、次の幕開けを告げた――。

発売中の月刊コミックREX3月号にて本作のコミカライズ版第44話が掲載中!

そして最新コミック単行本第8巻が3月27日発売です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ