番外編⑥ その四 呼び出された杉崎
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「来たわね元凶!」
「急に呼び出しておいて酷い言われようだな!」
鈴木に急にファミレスに呼ばれた杉崎。そんな杉崎への第一声がこれであった。わけもわからず呼び出された杉崎からしてみたらたまったものではない。
「一人でやってくるとはいい度胸だな。よしそこになおれ、この剣の錆にしてくれる!」
「いやここは私が消し炭に」
「うふふふっ、やっぱり男はクソですわ。回復魔法を反転させて痛みと苦しみを」
「待て待て待て待て待てぇええぇえええッ!」
マックス、キャラット、フォワードの三人が詰め寄ると、杉崎が慌てて後退りした。本当に何が何だかわからない杉崎である。
「杉崎くん。今日は貴方に正直に話してもらいます」
「委員長まで何そのデスゲーム風の語り!」
「一度やってみたくて」
「もう委員長ってば本当可愛い!」
「ずるい! 私も抱きつきたい!」
委員長に抱きつく鈴木を見て光が羨ましがっていた。一方で杉崎は白けた表情を見せる。
「それで、結局俺に用事ってなんなんだよ」
「それは彼女に聞くのが一番ですわ」
言って金剛寺が杉崎の幼馴染を指さした。
「何だよお前も来てたんだな」
「は? なにそれ? 私のことが見えてないってこと? 貴方まで私の影が薄いって言いたいの!」
「お、おいおい!」
突然切れだした幼馴染に杉崎は戸惑った。なぜこんなに怒っているのか理解が出来ない。
「彼女は不安だと言っていた」
「不安?」
美月に言われ杉崎が小首を傾げた。
「そうなんですよ杉崎先輩」
「菜乃華ちゃんまで。一体何が起こってるんだ?」
「実は――」
そして菜乃華や真弓から事情を聞き、杉崎は額を押さえた。
「なんだそんなことかよ。くだらねぇ」
「は? くだらないって何よ!」
「やはり男はカスだな!」
「燃やそう! 燃やしつくそう!」
「やはりここは最大の痛みを味わわせて差し上げましょう」
「待て待て! なんでお前らはそんなに好戦的なんだ」
「男など不要!」
「男はゴミ」
「男など汚染物質でしかありませんわ」
「酷い偏見だな!」
相変わらずの三人娘に杉崎もタジタジである。
「はぁ、だから俺が言いたいのは、他の奴らに気づかれないぐらいなんでもないだろうってことなんだよ」
「え? それって一体どういうこと?」
「だから! お前は、お、俺だけが見ていればそれでいいじゃんってことだよ」
杉崎が頬を掻きながら照れくさそうに言った。この杉崎の発言で全員の顔が二人に向いた。ほぼ全員が二人の結末に興味津々である。もっともマックス、フォワード、キャラットに関しては面白くなさそうな表情だが。
『その三人本当ぶれないな!』
などという、どこかのツッコミ神からのツッコミも気にすることなく杉崎は幼馴染を見つめた。
「なぁ、そろそろ俺たちも幼馴染から一歩進んだ関係になってみないか?」
「杉崎くん、私、私」
杉崎の発言はまさに告白そのものだった。周囲が固唾をのんで見守る中、幼馴染の彼女は――
「私、の、名前を言ってみて?」
と、ニッコリと微笑んで問いかけたのである。
「へ? いや、今はそんなことよりも」
「私の名前を言ってみて」
「いや、だからさ」
「私の名前を言ってみろ」
「えっと」
「おい! 私の名を言ってみろ!」
戸惑う杉崎に対してどんどん口調が変わっていく幼馴染。最終的には今にも杉崎を爆散しかねない勢いで問い詰めてきた。
「そ、そんなの今更だろ? マキ」
「はぁあああああぁあッ!?」
「あ、いや間違った! マキコ、そうだマキコだな!」
「てめぇいい加減にしろよこらぁああぁ!」
杉崎に掴みかかり怒り狂う幼馴染であり、その様子を全員がやれやれといった顔で見ていたわけであり。
「だめだこりゃ」
「折角進展しそうでしたのに」
「あぁ、もう無茶苦茶だよう」
「やっぱり男なんてカスですわ」
「男なんてゴミだゴミ」
「うむ。主よ命じてくれたなら全員切り捨てて見せようぞ!」
「いやいや、その剣をしまってしまって!」
こうして結局何の進展もないままこの話を終わりを告げるのであった。
『なにもなしかよ! というかどうりで名前が一切出てこないと思ったよ! めげないでマチコ先輩』
「ふざけんなよてめぇえぇえええええぇえ!」
『ギャァアッァアアアア!』
『ツッコミ神に殴りかかるなんて恐ろしい子――』
こうしてただのツッコミ役にしか過ぎなかったシンキチさえもお星さまとなったのだった。
『いやいや生きてるよ!』
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