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生活モニュメント[2]

コツンと膝が鳴った

作者: 袋小路 めいろ

何処にでもある

「あなたに触れる距離に居たい」

そんな言葉が

僕に向けられた時

なんでだろう

なんで

こんなに嬉しいんだろう

世界の全てに色がつく様な

あなただけの言葉に

僕だけの言葉に

なっているんだろう



色んな言葉に

明日を支えられて

今日を生きている

何気ない日々が

何処と無く

面白く無かったり

少し笑えるって日だったり

水も風も強くなったり

弱くなったり

でもまだ

「それでも」って

言える幸せ



シワクチャになった

人生の上

いつの間にか

自分の人生の向こう側が

わからなくなった

一人ペーパーアート

凹凸なんて

無い方が良いのに

それでも

一回丸めてしまった

誰にでもある事だろう

僕の場合

見える自分が

新しく思えるのも事実だった

後は楽しむだけだ

過去という

ベストな自分に対する

ハンデを引きずって



雑草魂と言えば

聞こえがいい

日々の「頑張る」に含まれた

諦めや

無理矢理のポジティブさに

取り敢えず

言いくるめられて居れば

今より悪くはならないから



そんな中のあなたの声

ゆったり並ぶ友人の面々

いつの間にか

横膝のあたる隣同士

なんて想像しながらの

飲み会

いくつになっても中学生男子

連絡先だけは交換

今日の終わりの挨拶で終わる

連絡先は

誰も住んで無い

アパートのポストみたいだ



何だろう

たまに来るメールは

一ヶ月間

出来るだけ真摯に対応する

少し顔も忘れている

自分の時間に

自分の生活の中には無い

他人の生活の時間が流れてくる

嫌では無いけれど

そう

嫌では無いけれど



それから八ヶ月

友人と言って良い状態か

随分とわかる様になってしまった

わかりたく無い訳じゃない

わかりたい訳じゃない

何方付かずなお味噌汁

美味くなくて不味くもない

ただあった方が良い

あった方が気分が良い

幸せな状態



横膝合わせの距離の中

僕の部屋の中心

いつの間にかの流れ

期待した流れ?

望んでいたのは誰だろう

「好き」って忘れてた気持ちを

急いでアイロン掛け

シワがあったら失礼だから

白くは無いかもしれない

暫く使ってなかったから

それでも丈夫ではある

それだけは自慢できる



「好き」って言葉の掛け合いは

さっき迄

一生懸命に見ていた

テレビの雑音より

ハッキリ聞こえる様に声にした

「あなたに触れる距離に居たい」

付け加えられた言葉に

心臓を包み込まれたから

明日からが大変だと思えた

明日からが楽しみになった

未来と今からの方程式を

一生懸命に解いていくんだ

二人の笑顔に

コツンと膝が鳴った



何処にでもある

「あなたに触れる距離に居たい」

そんな言葉が

僕に向けられた時

なんでだろう

なんで

こんなに嬉しいんだ

世界の全てに色がつく様な

あなただけの言葉に

僕だけの言葉に

なっている

そんな事実の積み重ねを

今から作れる

素直な喜びを

幸せにしても良いんだ

また

コツンと膝が鳴った


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