口遊み
あの日のいつかの少女は、どこにいるのだろう。
くるり、くるり、ステップを踏みながら廻る。
あの、白い女の子はどこに行ったのだろう。
崩れゆく、僕の世界にふらっと現れ、姿を消した。
可愛らしい声で何か、僕には理解できない言葉で口遊みながら、楽しそうに微笑みながら。
そもそも、あの女の子は人だったのだろうか?天使なんじゃないかとも思う。
朝焼けの燃える湖面で波紋を広げながら舞う彼女は。
漆黒の星空の湖面で静かに涙を落とす彼女は…
僕にとって、彼女は、あの女の子は僕を助けてくれた天使のような女の子でいいと、そう思う。
だから、もう少し頑張るから、もう1度姿を見せてくれないかな。