おーくたんとようじょさん
「おーくたん、ちょっとこちらへいらっしゃい」
年端も行かない少女がその体の3倍以上はある大きな男を手招いていた。
「はいはい、なんですかようじょさん」
男はその巨体を揺らしながらゆっくり歩く。
「はやくこちらにくるのです。
それと『はい』はいっかいです」
少女は両手を腰に当て胸を張り、ほおを膨らませている。
「はいはい、わかりました」
男は豚に似た顔に微笑を浮かべていた。
その歩みは遅い。
男は少女のもとに着くとしゃがみこみ、少女と目線を合わせた。
「きましたよ、ようじょさん」
「いらっしゃい、おーくたん」
目を合わせ微笑みあう二人である。
「おっほん。では、おーくたんはココにすわってちょうだい」
腰に手を当て精一杯胸を張り少女は男に指示をする。
「はいはい」
男はゆっくりとした動作で床に座り込んだ。
「それでちょうどよろしくってよ」
少女は座り込んだ男の足の間に入ると背を男の腹に預けた。
男は黙って少女の動きを見ている。
少女は男の足を曲げさせ、胡座をかくよう男の足を動かそうとしている。
男は黙ってその手の動きに合わせ胡座をかいた。
「これでいいのかな、ようじょさん」
「うん、いいの。じゃぁ、つぎはねぇ」
いつもの言葉使いに戻っている少女を見て男は笑みを深めた。
「ころんてなるのよ、ころんころん」
少女は男を巻き込んで後ろに転がろうとしているが、男の体は少女の力程度ではうんともすんともいわない。
力を込める様子に微笑みながら男は少女が怪我をしないよう気をつけながら体を後ろに倒した。
ぽよよ〜んぽよよ〜ん
少女は男の腹の上で跳ねていた。
少女の笑い声が続く。
二人は今日ものどかに過ごしていた。