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振り向けばそこには── 後編

 本日、2話目になります。

 少しずつ、意識が覚醒してきたとき、自分の体に重さが加わったのとを感じた。その重さの中心は事もあろうか、下半身の方だったのを感じ取った。

 重いと言うほどではなく、ほどよい重さ? というべきなのだろうか?

 そして、下半身が"スッ"とする違和感を感じると、意識の覚醒が一気に加速した。


 ──結論を簡潔に言うと、『18禁なことが起きていた』と言うべきだろう。これ以上は語るとヤバイので、たった一言にまとめよう。


「状況の説明をしろ!!」


 それ以外に、言うことはない!!

 コトが終わったのは、目覚めてから4時間が経過していた。空高く登っていた太陽は、もう遠くの山脈に沈み込もうとしていた。

 最終的に楽しんでしまっていた俺が言うセリフではないが、『時間がない!!』もうそれだけしか言えない状況だ。

 閉門までの時間は短く見て、30分といったところだろうか?


「今更だが、お前たちは誰なんだ?」


 ヤることをヤった後に聞くことではないのだろうが、それでも確認だけはしておかないと……。

 うん。たぶん間違いなく──。


「私たちは、皆様が"メシュラント"と呼ぶ種族になります」


「──やっぱりか……」


 俺の質問に答えてくれたのは、2人いるメシュラントの片割れの大きい女性だった。別の言い方だと、『一番激しかった方』とも言える。


「アス様を襲い、私たちを拘束した理由は何故ですか!?」


 声を荒げ、メシュラント(大)に問いかけるルーナだが、俺にはその理由で思い当たる"話し"を知っている。それは簡易鑑定(AR)が俺に見せた『説明文』にある。

 それは、"『生殖能力がない』もしくは、『恐ろしく低い』"という説明だ。この説明を見た当初は、「自然繁殖はほとんど無く、"自然発生"で数を増やすモノ」だと考えていたが、この似た雰囲気を持った2人と『コト』に当たって、それは間違いだと理解出来ていた。


「──それは恐らく、『種を残す為』じゃないか?」


 確認の意味を兼ねて、彼女たちに聞くと、コクンと頷くメシュラント(大)。ちなみに小さい方は、寝ている。あれだけ(俺の上で)暴れたら疲れもするだろう。


「アス殿、シュラントとメシュラントは違う種なのかな?」


 そう聞いてくるメリッサに、俺の考えを答える。


「俺の予想だが、彼女たちは獣人族(ビースト)の1種ではないのかな? 仮称として、"兎人族(ラビッテ)"としておこう。

 彼女たちが人族側として認識されないのは、森深くに棲み、性欲が旺盛すぎるからだろう」


 適当な推論だが、あまり間違っていないと思う。最悪なパターンもあるが、それは違うと思いたい。


「それで彼女たち、ラビッテに関してだが、ある1部の問題(・ ・ ・ ・ ・)を残して非常に大人しい性格だとする。

 ルーナ、このシュラントの森は結構広く、深くないか?」


「はい、町の2倍近くある計算です。詳しいことは誰も知りませんが……」


「それくらい広ければ、2~300人くらいの生活を支えることは、この森から見たら問題ないだろ?

 ──もっとも、多く見積もっても100人くらいだろうけど」


 俺の仮説を説明するなら、それくらいの人数が妥当だろう。多すぎれば発見されやすく、少なすぎれば簡単に滅んでしまう。

 それにしても彼女たちが、俺を発見して隙を見付けてから『襲ったこと』に関しては違和感しかない。

 その部分には、彼女たちにとっては不利、もしくは緊急性の高い問題があるのだろう。


「本当に今更なんだが、名前を教えてもらえるか?」


 誰かを、名前を確認していたら、種族知識に詳しくなる始末。そして、置き忘れていた自己紹介。一つづつ、片付けよう。


「私はシーネ、メシュラントと呼ばれる種族の族長の孫です。

 今で2才手前です」


 メシュラント(大)はシーネと言うらしい。しかし、族長の孫って厄介事の香りしかしない。


「この娘は、妹のスンです。1才と半分になります」


 年齢を聞いて驚いた!! 肉体的な成長が恐ろしく早い種族のようだ。肉体的に見ると、姉の方は人族換算20才くらい、妹の方は15才くらいの計算か?

 妹──スンの姿だが、どう頑張って見ても12才が良いところだ。身長は140は無いだろう。

 一番幼く見える原因は、その大きくてクリクリした目だ。

 実際にコトをした俺だが、ある意味で罪悪感が半端なかった!


 ──こう、幼い容姿の娘(幼女)に襲われるってさ?


【人族の幼女に手を出さないでくださいね?】


 ──何故に!? 何時、素面に戻ったし!!??


【どうやら、貴方の性欲(ムラムラ)が無くなったら、私の酔いも冷めました】


 ──俺って、酔うとヤバいの!? 熱冷○シート?? いる? いや、ある?


【知らなかったのですか? 貴方が『性酔魔神(エロガミ)』だったと!!】


 ──違うっての!! ったく、元に戻ったらこんな感じだしさ!!


 俺と復活したシステムが言い合っている間にも、シーネの説明は続いていた。


「それで……私たちの種族では、2才になっても(つがい)がいないのは"いきおくれ"扱いされます。

 スンはまだ半分ほど余裕がありますが、私の方が明後日で2才になるのです。


 その……可能性のない男と番になるのが嫌だったので、彼を──アスさん? を襲わせていただいたわけです」


 理由としては、理解できるがシーネはそれで、幸せになれると思っているのか?

 それに、『番=夫婦』ってことだろ?

 俺の言うセリフではないが、言っておかないと後悔しそうだ。


 ──それで、いいのかよ!? 異世界人!!!!


「──理由は分かりました。この大陸にある国々の法律では"ハーレム作って(一夫多妻制)産みやがれ(多夫一妻制)"と成っています。

 故に私は、貴女方2人がアス様の『妻の一人』となることに、反対はいたしません」


 ──俺に確認はなしなの!? まあ、男で"ハーレム"を創りたくないのは、ほとんどいないだろうし。(筋肉魔獣を除く)


 俺は放置されたままで、ルーナの話しは結構細かいながらもスムーズに進む。メリッサに関しては、うんうんと頷いて同意している。


 ──内容を理解しているよね?


 それにしても、異世界人補正(原住民バージョン)でもかかっているのか! ってくらい、今まで出逢った女たちが強い!!(精神的強者ってヤツだな)


「──理解していると思いますが、『ヤれば出来る』と言いますが、そう簡単に子は出来ませんよ?」


 サラッと、女性だけの神秘を語るのはどうなのだろうか?

 いや、彼女たちにとっては、一大事だろうが……。


「──そして、私たちは奴隷ですが、貴女たちの先輩に当たります。敬うように!」


 ──って、おい!! それが言いたかっただけの、説教か!?


 感心していた俺は、ルーナの一言にガッツを奪われた!?

 しかし、〈ヤル気〉によりツッコミパワーは満タンだ!


「ルーナ──節度は必要だが、同じ──ただ1人の男性を愛するのだ。その愛が、アス殿専用で純粋なら良いじゃないか!

 私には、彼女たちの『あの激しい動き』は真似できないモノだった……そうだろ?」


 真面目な顔をしてそんなことを言うメリッサに、俺はもう少し慎みを持って欲しいと思うと共に、その情景を思い出してしまった。


 ──確かにアレは、凄かった……異常なくらいに。


 そんな俺の脳裏に、あるモノが思い浮かんだ。そう、それは『アーツ』だ。

 それ以外に当てはまるモノが、無かったとも言えるが、それは秘密だ。


 アーツに加わっていた『尻尾をふる』というモノを原因だと予想している。

 理由としては、このアーツの対象が『自分』ではなく、『相手』だったとしたら──うん、説明が出来そうな気がする。

 この『尻尾をふる』から、"尾"を取ってしまうと──俺の言いたいことが理解していただけると思う。


 詳しいことは説明できないし、それをするならノクターン(・ ・ ・ ・ ・)の方になる。


 何を言っているか、言わずとも理解して欲しい。此処までだって、18禁に触れそうかどうかのラインだと思う。

 そう言う俺自身が一番、何を言っているのか分からないがな!!



 そんなことを脳内で必死に弁解? していた俺を置き去りにし、4人の話しはまとまった。


 ──シーネとスンは着いてくるそうだ、『奴隷』として。


 何故に? と思ったが、メリッサとルーナが奴隷であることも、原因のような気がする。だから恐くて、聞けない!!


「「よろしくお願いします!! 旦那様♪」」


 俺は、モーリーズ(この世界)に来て、3日目──だっけ? でさらに奴隷を2人(正確には、妻のような気がする)を手に入れた。

 俺が兎人族(ラビッテ)と名付けた、種族の姉妹はこのままシュラントの森を出て行くらしい。

 シーネとスンの詳しい容姿は──後日語ろう。


【条件をクリアしました。新しいスキルを解放します。

 〈ご主人様と一緒〉が使用可能になりました】


 ──いっやぁぁぁぁぁ!!!!

 なんか、ど真ん中なのキター!!


 俺の心の叫びは、誰にも届かない!!

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