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降魔術と祓魔術

間違って削除したので再掲ですが、改稿して少し短くなりました。

2014.9.26 前話改稿しました。次話投稿は、月曜日の予定です。

2014.10.7 加筆改稿しました。

 倉城家に『降魔術』(魔神召喚の降霊術)が伝わっていることなど、竜斗は未だ知らないが、押門家に『祓魔術(エクソシズム)』が伝わっているらしいことを、アトミ達は知っている。



 竜斗が占い喫茶を覆っていた何かを払った翌朝。


 自宅から渡り廊下で繋った道場で、日課の朝稽古をこなす竜斗。従弟のトオルも懲りずに一緒だ。

 父も早朝から道場の掃除を欠かさず、今のところ二日酔いの兆候は無い。


 スキャンダラスな姿に幻滅させられる前はヒーローだった父。格闘王だった頃の強さが未だ衰えていないことが竜斗には判る。エロオヤジのくせに・・・


 姿を眩ましていた間、『山籠り』をしていたと父は言う。自分の子供にゲームに因んだ名前を付けてしまうようなバカなので、昔のマンガに影響されて空手の修業をしていたと言うのは本当だろう。指立て伏せから倒立ができる。手刀で天然石を割るコツはどうとか、機会があれば熊と闘いたかったとか本気で言っている。


 格闘家としての身体能力は下半身に表れる。腹筋だけでなく、背骨の周りに連なる筋肉を連動させ、下腹部を中心に集約され発揮される瞬発力。そういう力は息を吐き出す力と連動するので、強い者ほど息が安定していて余裕がある。

 武芸者は相手の呼吸を読むのが習慣となり、達人同士が対峙したときは先に息が乱れた方が『参りました』とか言って互いに触れることなく勝敗が決したりする。


『気』に敏感になっている竜斗は、父の息の気配を感じただけで、下半身の強靭さや、そこから生まれる瞬発力や破壊力の凄さが判ってしまう。立ち向かえば弾き飛ばされるような圧力を感じる。

 物理的な力が作用しなくても、本能的に身体が飛び退いてしまいそうになるのだ。恐らく気に鈍感なトオルは圧力を感じていない。こういう見えない圧力を、相手が見えない『祓魔術』に応用できそうな気がする。


 朝稽古の後、竜斗は父に尋ねた。

「親父ぃ、祖父ちゃんって『お祓い』みたいなことするよな」

「あ?アレか。元々(うち)の専門がアレだ」

「親父はアレ、習わなかったのか?」

「俺には向かない、酒癖女癖が致命的なんだそうだ」

(下半身の問題か、違う意味で)

「『OKX』って、表向き『沖縄空手エクササイズ』とか思わせておいて、裏は『オカルト神憑りエクソシスト』とかだったりしてな」


 祖父ちゃんが孫に『祓魔術』を継承させようとしているらしいことは未だ黙っておこうと思った竜斗だった。

 父は父で、格闘家の道を極めるつもりでいるようだが。

竜斗君には初め、オカルト→岡流人みたいなネーミングを考えましたが、日本中の岡さんに迷惑をかけてはいけないので押門という姓を創作しました。

トオルカーチス君はオカルティストのアナグラム。

お母さんはオカアサン(安三)、叔母さん帰国してオカエリ(衣里)。

お父さんはオカシタロウ(?)だったりします。


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