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ED曲『謝肉祭(カーニバル)水道水』

 度々すいません。加筆して再投稿です。

 押門家のリビング。食卓を囲んで辰造、衣里、トオル、竜斗、そして修太朗が座る。


「んで?、何で親父(コイツ)が居んの?」

 竜斗が呟くように言い、衣里が答える。

「まあ、いちおう兄貴の家なんだから・・・」


「本当に断酒できてるのか、とりあえずアル中でないのを確かめてから、アミちゃんに会ってもらうって話になったわけ」

「今夜は何処で寝んの?」

「そうね。兄貴が使ってた部屋は今、トオルが下宿させてもらってるから・・・」


 辰造が口を開く。

「道場に布団を持って行って寝ろ。朝は誰よりも早く起きて拭き掃除じゃ」

押忍(オス)

 修太朗が小声で答えた。


「アニキ仕事は?」

「昔の知り合いに頼んでバイトでも・・・と」

「前科者に紹介してもらえる仕事あるの?」

「あれは何年も前の話で不起訴だったし・・・」




 静かな夕食の後、テレビをつける竜斗。



 サンバのリズムに合わせ、アイドル女性グループが歌い、躍っている。

 私のカレには複数の女がいて、曜日ごとに相手が変わるのよ。月曜と木曜は誰々さん、火金は誰々さん、水土が私の番で、日曜日はまた別の女だわ。私は水曜と土曜の女・・・という内容の歌詞。


 ♪ 水、土、水、ララ水土水、ララ私は水道水〜


 蛇口ひねれば出てくる水道水みたいにチョロい女と言われても・・・自虐的な歌詞に陽気な旋律(メロディー)

 曲に合わせて女性グループがバストやヒップを左右に揺らすように躍る。

 リオのカーニバルをフィーチャーしたような、肌の露出が多い衣装だ。


 修太朗の顔が、だらしなく緩んでいる。

 手にしたコップの中身は麦茶だが、以前ならビールか焼酎だった。

 衣里が兄の手元を睨む。アルコール依存症のように震えていないかチェックしている。


 ふと竜斗の横顔が衣里の目にとまる。

 ポカンと口を開けてテレビに目を奪われている甥。

(やっぱり兄貴に似て女にだらしないのかしらん?)


 叔母の視線を感じ、我に却ってテレビから目を逸らす竜斗。

 また鼻血が出ていないか気になってしまい、口元に手をやる。


 ビキニの水着にパレオを巻いただけのような衣装で、センターで胸を揺らすように踊っている3人の少女を見ながら、この()はミサキに似てるかな?こっちは忍撫に似てるようにも見える、腰を振っている娘はアトミみたい・・・などと想いに耽っていた竜斗だった。



 ♪ 水、土、水、ララ水土水、ララ私は水〜道〜水〜


 トントン、ストトトン!


 パーカッションが響いた。


 そう言えば土曜日に食事するんだったっけ。




 カーニバルの如く血潮漲る高校1年生、竜斗の青春が迸る夜が開けた。


 日課である朝稽古のためトオルと共に道場へ行くと、先に修太朗が形(型)練習をしていた。

 格闘技イベントで優勝した頃と比べても見劣りしない、キレの良い動きである。

 まさか初日から隠れて夜な夜な飲酒は無かっただろう(否、判らない)が、少なくとも二日酔いでは無さそうだ。

 昨夜は本当に道場で寝泊まりしたらしい。床を拭き清めた跡も見える。


 「押忍(オス)!」


 挨拶の後、竜斗たちも練習に混じった。



 朝食を済ませ、今朝も徒歩で登校する竜斗とトオル。


 そして、今朝も忍撫(アイツ)の足音が迫って来る。

 足音だけで彼女の息遣いやら鼓動まで伝わって来る・・・ような気がするとか言うレベルを通り越して、リアルに感じる竜斗なのだが。

 今朝は更に、彼女の胸の揺れまで伝わって来るように感じるのは妄想だろうか?


 ヤバい、昨夜みた夢を想い出す。ビキニ姿の忍撫が胸を揺すって踊っていた。

 ♪ピッピッピュルゥピッピッピッピュルゥ〜

 竜斗の中で鳴り響く、サンバのリズムでホイッスル。


 トオルがニヤリと笑い、ここぞとばかりに竜斗の背中を叩こうとする。

 ハッとなった竜斗が斜め前へ飛び、辛うじて躱す。

「危なかったぁ」

「オーゥ、オシかったでス」


 竜斗が振り返ると忍撫の姿が見えた。思わず胸の膨らみ具合を確かめてしまう。

 不思議そうに竜斗達のほうを見ている忍撫。

「お早う、今のは何だ?」

「オッス、これは修行だ」

「何の修行だ?」

「背後の気配を感じる訓練だ。いつもトオルに背中を触られないようにしている」

「ほう・・・」

「何だったら、その木刀で俺を狙っても良いぞ」

「本当か?では、竜斗の背中を斬ったら今度こそ俺の婿に・・・」

「それは無し!」

「仕方ない。当分は俺が嫁ということで我慢してやる」

「・・・」

「はっはっは。またなっ!」

 今朝も追い抜いて走り去る忍撫。

 屈託の無い笑顔がヤバい、可愛い。

 揺れる胸がヤバい、触りたい。


 あの調子だとマジで触らせてくれるかも・・・それどころか、

『嫁の乳ぐらい遠慮せずに触れ』とか言いそう・・・いかん、妄想が先走る。


 上せた竜斗の顔色を見たトオルが今度こそはと背中を狙っている。


 ヤバいなぁこりゃ。女子に気を取られて隙が出来てしまう。

 実は昨夜の夢は、忍撫一人ではなくミサキやアトミも踊っていた。もちろん薄着で・・・カーニバルな妄想のネタが尽きない。


 本能の赴く処に突っ走って行ったら、あの親父のような醜態を晒すことになるのでは?という懸念が、半ば無意識的に竜斗を踏み留まらせているが、どこまで持ち堪えるだろうか。


 エンディングって、もちろん架空アニメ想定ですw


 サビだけメロディできてるですけどね♪


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