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スキマ産業奮闘記―In The Cradle  作者: 狩山 宿
Ⅰ. 揺籠と社会人
2/63

Act 2


そんなこんなで始まった事前講習の中身と言えば、まずゲームの世界観とキャラクターの説明だった。

中世程度の文化レベルを持つ元世界に、ある時突然崩壊しかけた別世界から逃れてきた人々がやってきたというところからすべては始まる。文化レベルや科学技術、それらいつしか交流の中で混ざり合い、その地に根を下ろした人々が子をなし、いつしか長い時間が経った。その結果として多彩な種族が生まれた。その後、いくつかの小競り合いと大きな争いと革命という歴史の流れの中で、小国家連合体が誕生した。それを経て、これからスタートするゲーム世界の時間軸に至る、というものだ。人が住める地域は未だに少なく、未開拓地も多いことから、国家はとりあえず共存の道を選んだ、という。

そこで、小国家連合体はある一定の条件を満たし、資格を取得した人々を組織的に登用する機関を設け、彼らに様々な仕事や魔獣の討伐、物品の作成や輸送を依頼することで国家間のやり取りを円滑にしようということとなった。

当然その条件には種族や国家的な部分の制約はない。彼らは人々の助けと成るべく様々な働きをし、冒険者や探索者、行動者と呼ばれた。もちろん、その中で強さを極めたものからは英雄が生まれる可能性もある。

その過程で無謀な挑戦をして魔獣の巣へ切り込んでいって帰ってこない者は、英雄の何十倍も生まれてしまうのだけれども。

ありがちなファンタジー世界、と言い切ってしまえばそうだろう。

種族は「ヒュー」(人族)、「フェアル」(妖精族)、「ライカ」(獣族)、「ノスタ」(魔族)の四種に大別されるが、多くがそれらの混血であり、厳密な種族は定められない。

大体自分に発現した種族的特徴からなんとなく自分はこういうものなんだろうな、と考える程度であるほどには種族格差は薄いようだ。

ヒューは当然手先が器用であるためDexterity(器用さ、命中)が高い。フェアルはIntelligence(知力)が伸びやすく、ライカはStrength(筋力)、ノスタはVitality(頑丈さ)の適性を持つ。

キャラクターメイキングの際に自分に合った種族がピックアップされて勧められるとのことなので、この辺りは気にせずにいてもよさそうである。


さて、それらが終わったらゲームの趣旨に入っていく。

多人数型RPGの名が指す通り、複数人で協力しながら目的を達していくこととなる。いくつか歩む道があり、切磋琢磨してスキルやレベルを上げ、強敵を倒すようなプレイをする、というのが一つ。そんな人々のサポートともいえるが、強敵の現れる場所で得られた素材を元に強力な武器や防具を作るというのもある。似たようなので薬、魔術関係の雑貨を作る人々になるというルートもある。あるいは、これが面白いのだが、何もしないという選択もある。だらだらのんびり時間を過ごして、時にはフィールドで適当に野菜を摘んで料理を作って食べる。これをしてもよいというのである。

空腹はステータス上で多少の影響を及ぼす程度でしかなく、食事は元来それほど重要ではない。そもそも、排泄行為をゲーム内では必要としない。だが、味覚関係はシステムで補完されている。

普段出かけられない人は、ゲーム内で何処かにハイキングに行って釣りをして、日が暮れたら帰ってもいい。そういう、現実では体験できないようなことを体験させる癒しの要素もあるのである。

この辺はさすが擬似バーチャルリアリティーといったところか。

主題は当然、多くの人が選択するだろう戦いをこなすルートである。

能力には、経験値の獲得に従って着実に増えていく「ステータス」と、特定の行動をし続けることで積み重ねられる「スキル」の二つがある。この辺りもほかのゲームと変わらない。

ステータスは前述した種族によって特性のある四種のほか、Luck(幸運)、Agility(敏捷)を加えた六種で構成される。上がり幅は種族によって若干の影響を受ける。上がりやすいものもあるが、苦手分野もある。どの程度のステータスを保有しているのかは、レベルによってある程度判別できる。

スキルは熟練度というものを同じ根源としているが、厳密にいえば二種類ある。エフォートスキル(努力スキル:ES)とインネイトスキル(天性スキル:IS)がそれである。

剣を使い続ければ熟練度が上がり、使える技が増える。これはESである。ESは特別な条件を問わず、繰り返しと努力によって取得できる。

ISはESとはずいぶん違った在り方を見せる。例えば薬草を扱っていて一定の熟練度に達した結果、魔法に応用できるようになった、というようなものがISに当たる。しかしこれにはフェアル系のキャラでなければ覚えることはできないという条件が課せられている。その他にも、鍛冶一般を極めるならばヒュー系でなければならないとか、狂獣化という戦闘特化のとんでもない自己強化スキルはライカ系ノスタ種にしか扱えないとかいう条件も存在する。もっと厳密だったりもっとゆるかったりもするが、とにかくISの取得に関しては努力で補えない物も絡んだ無数の条件が存在している。これらはまさに天性の素質が必要なのである。

キャラメイクや様々な条件が影響しあい、誰一人として同じスキル構成になるものはない、というのも謳い文句だ。

近接戦闘でも、槍が得意なものと剣が得意なものがいる。魔法でも属性の偏りがある。プレイの中で自分に合ったスタイルを見つけることそのものが楽しみになっていく。

紡はそれらの説明を聞きながらぼんやりと考えていた。

となると、どんなふうにキャラクターを作ろうか。

研修の日が待ち遠しかった。普段なら座学ですうすうと寝息を立てていそうなほかのメンツも、今日は真剣に話に聞き入っているようで、紡は少しだけ笑った。

頭の中には自分の仮想体が少しずつ組み上げられて、いつしかそれは明確なビジョンを象っていた。





説明回でした。

設定的には割とこんな感じのMMOがあったら面白いかな、という感じで。

種族別の大きさは、


フェアル<ヒュー≦ライカ<ノスタ


です。

ライカ・フェアルとかになるとなんという獣耳幼女になるのですが残念ながら現状しばらく出てきません。

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