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……似合わない。
似合わなすぎる。
顔付きは優しげな部類だろうが、どう転んだって真面目で本好きな勤勉部類には入らない。
「意外ですね。図書部員ってもっと真面目な人がやってるものだと思ってました」
「秋ちゃんそれ、トゲがあるよ」
「あ、スイマセン。つい本音が」
「…………」
何やら項垂れた先輩。
あれ?
俺そんな酷いこと言った?
「……と、とにかく! 鍵はあるから、行ってきてよ」
「……見返りを求めても?」
ただ働きはしたくない。
そう思って言えば、広瀬碧は眩しい笑顔を惜し気もなく晒した。
「俺とのアツーイ一晩をプレ「却下」」
「ちょ、即答!?」
「当たり前ですよせんぱーい」
「敬意がちっとも感じられないんだけど!?」
何だアツーイ一晩って。
あれか?
徹夜で耐久格ゲー大会?
もしも性的な意味ならマジ鳥肌ものですよせんぱーい。