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「でしょ? だから、仲介をして欲しいんです」
「……いいよ。色々気になるけど、訊かないであげる。ただし、貸しひとつだ」
妖しげに笑う広瀬。
正確には、貸し二つだ。
苺みるく込みで。
「助かります。お礼は、弁当とかどうですか?」
「お弁当ー? 手作り?」
「手作りです」
委員長の。
だって、誰の?って訊かなかったし。
けれど、さっさと借りを清算したかった俺の提案は、広瀬碧にあっさりと却下された。
「それもいいけど、貸しは後に取っとくよ」
後に取っとくって何だよ。
三時のおやつじゃないんだから。
今がいいよ。
「先輩、今じゃないと俺忘れるかもしれません」
「だいじょーぶ。俺がきっちり憶えとくから」
ちっ。