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「いや、ほら、相手は三年生ですし。接点もないですし。先輩に仲介して欲しいな、と」
「あ、もしかして秋ちゃん、顔分からないとか?」
「それもあります」
嘘です。
髪が緑色なんて、この学校でも珍しいから見ればすぐに分かります。
ただ単に一人で会いに行くのが心細いんです。
だけど正直には言いたくない。
「んー、にしても何で俺なの?」
俺が誰かに会いたいと言うのが腑に落ちないのか、広瀬碧は思いのほか難色を示している。
おかしいな。
『あー、なるほど。間宮さんね。あの人怖いもんね』
みたいな感じで以心伝心するんじゃないかと思っていたのに。
「それは……、広瀬先輩はあの人と仲が良いとかって聞いたんで」
「仲良い? ……ああ、まぁ、そーかもね」
『仲が良い』という言葉に、広瀬は少し不満げな顔をしたものの、否定はしなかった。




