58/82
6
「で、頼みっていうのは……?」
「緑山くん。僕はね、気になったことは最後まで知りたい」
それは、つまり。
「俺に、間宮藍太郎のことを調べろとかって、言いたいの?」
絶対そうだろうと確信を持って訊いたのに、委員長はあっさりと首を横に振った。
「いや、緑山くんには、日向黒と間宮藍太郎の二人に会ってもらいたいんだ」
「え、二人? と言うか、会う?」
予想外。
まさか弁当一つで二つのことを頼まれるなんて。
これって等価なの?
俺の方が損ってことはないよね?
正直やだよ。
「あの、杉田?」
「杉下。何? 緑山くん」
箸を置いて、少し高い位置にある顔をおそるおそる見上げる。
「それ、断るわけには……いかないよな?」
「……」
空気が一瞬、冷えた気がした。
委員長は一層深く、それはもう麗しいほどの微笑を浮かべる。
指差す先は、食べかけのお弁当。
「君はもう、食べただろ?」




