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三年生、間宮藍太郎。
小柄で痩身。
族には所属していない。
高校からの外部生で、成績は優良だが、まま奇行に走る。
好物は不明。
好きな色は、緑色。
委員長は、他にも聞いても仕方ないような細かい情報を滔々と話し続け、会ったこともない間宮藍太郎について、俺はずいぶんと詳しくなった。
ただ、観察や聞き込みでは得られない情報もあるらしい。
『前々から思ってたんだけど、やっぱり、あれは間宮藍太郎の一方的な敵対なんじゃないかな』
中庭での騒動の全ては、委員長にも分かっていない。
委員長が見たのは、乱闘する最強不良と、静かに佇む間宮藍太郎。
争っていた理由も、間宮だけ乱闘に参加していなかった理由も、誰も知らなかった。




