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「ところで、緑山くん」
「……?」
「君にちょっと頼みたいことがあるんだけど」
つ、ついに来たか。
食べる前から多少の予想はしていた。
供給→見返り。
まいない。
鼻薬。
アンダーザテーブル。
額にかかった薄茶の前髪をはらって、委員長は眼鏡を押し上げた。
心なしか、知的な目が怪しく見えてくる。
「な、何?」
「この間、間宮藍太郎については話したよね」
「……ああ」
この間。
俺が日向黒に初対面した水曜日。
雨が降り出した中庭で、彼が間宮藍太郎を抱えて走っていくのを見た。
『え、あの人たちって敵対してるんじゃないの?』
間宮藍太郎は日向黒に張り合ってるとか言って無かったっけ?
俺が思わず疑問を口にすると、委員長は火がついたように話し始めた。
奇妙な光景についての考察も付け足して。




