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「遠慮せずにって言われても……」
これは何だろう。
ドッキリ? 白昼夢?
俺、誕生日だっけ?
あ、委員長?
委員長の誕生日?
何か嫌な予感がしないでもない。
が、ご馳走を前にして空腹に打ち勝てるほど理性的でもない。
「さすがの僕も友人に一服盛ったりはしないから、安心して」
「一服? 一服って、え、毒?」
いや、そこまでは警戒してなかったんだけど。
言われるとむしろ気になるというか何というか。
「ほら、日頃の感謝の印だからさ」
「……」
人の良さそうな笑顔を向けられて、断るという選択肢は消えた。
だって委員長。
見た目は爽やかな好青年だもの。
笑いかけられて悪い気はしない。
たとえそれが標準装備の疑似スマイルであろうとも。
「……い、いただきます」
バチンと音がするほど強く手を合わせ、気が引けそうになる豪華な昼食にそろりと箸を伸ばした。




