49/82
20
結局、笑顔の一言によって彼らは沈黙した。
それ以外の奴らも沈黙した。
何もそんなあからさまに恐れなくても、とは思うが、顔色ひとつ変えない委員長はやっぱり少し恐いかもしれない。
「松下って、すごいな」
「……どういう意味かな? 緑山くんだって、真面目そうな顔して割りと不真面目なとこがあるじゃないか」
「いや、俺はこれから真面目に生きようと思ってるから」
「え、いきなり? 何があったの」
突然の脱不真面目発言に、委員長は僅かに驚いたような顔をした。
俺が真面目になろうと思ったのは、言わずもがな、日向黒の所為である訳だが、名誉の為に諸々黙っておきたい。
「ナニモ、ナカッタけど?」
「……何故にカタコト? あ、僕は杉下ね。それよりほら、あれ、誰だか分かるかい?」
委員長が窓から顔を出して下を指差す。
中庭の中央に、記憶に新しい鮮やかな銀色の頭頂部が見えた。




