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「これなら、緑山くんにもよく見えるよね?」
「それは、背が低い俺でも見えるよね? って言いたいのかな?」
「うん」
「……」
……ええ。
きっと誰より鮮明に見えますよ。
「痛てっ」
「誰だよ、今押したの」
「割り込むなよな」
俺がちょっぴり傷ついている間に、周りからちらほらと文句が出始めた。
それでも、彼の胡散臭い笑顔は崩れない。
と言うか、一層深いものになっている。
「割り込んだのは僕だよ。悪いね」
「「「えっ……」」」
微妙に空気が冷えた。
別段怖い性格でもないが、委員長は人の秘密をよく知っている。
逆らう者は少ない。
立派な独裁政治だ。
真面目そうな外見に反してかなりぶっ飛んだ中身の持ち主だと思う。




