43/82
14
疑問符を浮かべていると、復活したらしい広瀬碧が眉を下げて拗ねていた。
「……痛いよクロ」
「痛くしたからな」
「あ、もしかしてヤキモチ?」
「去ね」
「いだぁっ!?」
無表情の日向。
再び脳天を殴られた広瀬は頭を抱えて踞まる。
恐るべし日向黒。
痛そう。
容赦ない。
やっぱ怖い。
「あー、痛い。痛いよ秋ちゃん」
「大丈夫ですか? 主に脳ミソ」
最強不良の拳骨を二度も受けて、頭の中身は大丈夫だろうか?
さすがに心配になってきて、足元にすがってきた広瀬の顔を窺う。
「やばいやばい。かなりやばいんで、膝枕を所望します」
「殴りますよ?」
「秋ちゃん甘いなぁー」
「……は?」
「俺、わりと丈夫なんだよ? クロの側に一日居れば、あと十回は確実に殴られるからね」
あ、この人、学習能力ゼロなんだ。




