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色素の抜けた長髪の、緩く結ばれた毛先が風に揺れた。
俺の顔を下から覗き込んでくるのは、木城学園2年、広瀬碧。
傷みのない金髪と狐のように少し上を向いた切れ長の瞳。
パッと見は優男だけど、正直めんどくさい人だ。
本当に運の悪い日に時々会う程度。
会うと何故か必ず、しつこく絡んでくる。
「あれ、秋ちゃん返事は?」
たった一コ歳が違うだけなのに、何でこんな偉そうなのこの人。
ため息をつきそうになるのをグッと堪える。
先輩は先輩だ。
プレイヤーをOFFにして、あまり見られるのも癪なので一歩距離を取り……。