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もうこうなったら覚悟を決めるしかないのか。
だ、大丈夫だ。
今のところ危険な発言こそあれ、物理的にはデコピンと頭突きしかされてないし、案外深く考えなくても良いのかもしれない。
となれば、願いはやっぱり……。
「……じゅ、ジュース」
「は?」
「ジュースおごってください!」
願いを吐き出すと共に、頭を机に打ちつけそうなほど勢いよく下げる。
そりゃあもうガバッと効果音が付くほど。
……やっぱり、こんなもんでしょ。
広瀬碧がいつも何を要求してるのか気になるが、俺には精々、百円そこらをせびるのが限界だ。
「そんなんで良いのか」
すぐ側でため息混じりの声が聞こえて、我ながら少し情けなくなった。
もっとデカイこと言う方が、男としては正しいんだろうけど……。
ほら俺、自他共に認めるチビだから。
「良いんです。こんなんで」




