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暴走BOYS  作者: Bくん
30/82

広瀬と日向1


「あ、ありえない」



ホントありえない。

マジでありえない。


正直ホッとしてるのもありえない。


「あ゛? ひとに勝っといて何だそのツラ。もっと喜べ」



そう、勝ったのだ。

最強不良で族の総長な日向黒に。


「……わ、わーい」


「ふざけるなチビ」



喜べっつったじゃないか。


「で、何だ」


「ななな、何だって、何が」


「報酬だよ。俺にして欲しいことは?」


「ま、待って下さい! もう一戦、いや、もう二戦くらいしましょうよ」



そうだ、あと二戦して、引き分けに持ち込めば良い。


「お前すでに二勝してんだろ」


「うっ……」



先攻後攻入れ換えて二戦した結果、俺の完全勝利。


おかしいな。

俺、チェスは強くないのに。

むしろ弱いのに。


この人それを上回る弱さだったんだけど。

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