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「ちょっ、何すんですか!?」
晒された額が風でひんやりと冷える。
さっきのデコピンで赤くなっているであろうそこを、日向は興味深そうに見ていた。
もちろん俺の抗議など聞く耳持たず。
「喧嘩か? そういうタイプには見えねぇが」
彼が訊いているのは、たぶん傷痕のことだ。
ハ○ー・ポッ○ーの例のアレみたいに、一部皮膚が引きつった薄桃色の小さな傷。
さすがの俺もそんな傷を気にするほど女々しくはない。
……が、
「あんまし見ないで下さいよ」
普段帽子とフードで徹底的に隠している額をまじまじと見られては、どうにも落ち着かない。
更には指先でそっと触れられ、擽ったいやら何やら。
堪らなくなった俺は逃れるように身をよじった。




