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……にしても、違和感が拭えないよ。
朝っぱらから小さな子供のように泣く男子高校生(俺)と、宥めてる(ように見える)銀髪の不良。
それにイケメン。
マジでイケメン。
と言うか美しい。
そんなお方を前にして俺は何をやってんだ。
「お前、これ……」
目元を拭かれながら己の間抜けさに軽くへこんでいたら、頭上で声が上がった。
気を抜いていたせいか、その突然の低音にびくりと体が震えてしまう。
「どどど、どうしました?」
だから声がどもってるのは気にしない方向で。
「うるせぇ、これだ」
言われて見上げれば、日向黒が左手で俺の前髪を掻き上げた。




