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"バツンッ!!"
「うぐっ!」
顎を掴んでいた手が離れ、俺は崩れ落ちるように座り込んだ。
目の端に涙が滲み、焼けるような痛みに体が震えている。
痛い。
痛すぎる。
…………おでこが。
「……な、んで」
「あ゛?」
「……どー、して」
「何が?」
「ど、どうしてデコピンなんですかー!!」
「……ぷっ」
意識を飛ばしてしまおうと思っていたのに、日向黒は俺に強烈なデコピンをくれた。
しかも苦しむ様子を見て愉快そうに笑っているのだから、かなり質が悪い。
「うぅっ……」
彼のデコピンはそりゃーもう半端なく痛かったが、デコピンで気を失うような奴はいない。
……優しさなのか、嫌がらせなのか。




