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と、取り敢えず。
「……ぱーどぅん?」
「いっかい死んどくか?」
「…………」
う、うぇぇぇぇぇっ!?
聞き直した!
聞き直したけど変わらなかった!
脳内パニックだけど、言葉にできない。
だって彼、ものっそい睨んでるもの。
「どいつもこいつも広瀬に良いように使われやがって。あのチャラ男もろとも、ぶっ潰す」
「え、いや、それはちょっと困る……」
「困ってんのは俺だ」
「いや、確実に俺」
「ああ"?」
「な、何でもないですっ!」
ギロリと睨まれ、竦み上がる。
何これ、なんて冗談?
完全なるとばっちりなんですが……。
「まぁ落ち着けよ」
一歩ずつ近づいて来る日向黒。
後ずさる俺。
そうして壁に押し付けられ、俺が暴れ始めた所で冒頭へ戻る。




