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混乱する俺を余所に、一人で何か納得したらしい日向は、スッと立ち上がった。
「……悪かったな、いきなり突き飛ばして」
「え?」
「まぁ、とりあえず立て」
いや、突き飛ばすとかいうレベルじゃなかったでしょ。
……とは思ったものの。
彼は俺の手を引いて起き上がらせてくれ、何だか優しげ。
イメージと違う?
本当は噂がひとり歩きしてるだけで、普通の人だったりするの?
「どうした? そんなに見るな」
「あ、いや、意外と良いひ「一回死んどくか?」……は?」
あれ?幻聴?
俺を遮って、物騒な言葉が聞こえた気がするんだけど。




