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プロローグ
緑山 秋、性別は男。
黒髪黒目の目立たない平凡フェイスを目深に被った帽子とフードで隠している。自慢できるのはちょっとばかし運動が得意ってことだけ。
そんな俺は全寮制の男子校に通う16歳。
そして今、命の危機にあっていたりする。
「まままままっ、マジで止めろ!」
「暴れるな。大人しく俺に"殺られろ"」
漢字変換ちょー怖いんですけど!!
俺の前に立って鋭い瞳を光らせているのは学校一の不良、日向黒。銀髪、紅い隻眼。
超絶美形で身長も高く細マッチョ。
……滅べイケメソ。
じゃなくて、俺は今確実に殺意を向けられている。
最強不良で族の総長で数々の伝説を持っている、日向黒に。
なぜこうなったのか、遡ること三十分ほど前――…