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村長の家を出る。仕事をやった汚れを見せる必要は既にない。<浄化>を自分にかける。汚れを落としたことで少し気分が上がる。朝の早い時間帯に風呂はやっていないので<浄化>で間に合わせる。
宿屋へ向かう。村の中心地にある広場を横切ってすぐそこにある。食事なしで銅貨40枚。1日の賃金の4割だ。快適というわけではないがベッドで寝ることができる。食事をするなら勿論別途お金を払う必要がある。銅貨5枚の野菜スープを注文する。タマネギやじゃがいもやニンジンなどが入った根菜類中心のスープで調味料は入っていない健康的なスープだ。野菜から出る旨味のみで勝負している。<料理>スキルがあれば美味しさが上がるがどうやらなさそうな雰囲気。のんびりとスープを味わう。
支払いを済ませ部屋へ行く。歯を磨く代わりに<浄化>をかけた。スッキリした気持ちで早速ベッドに潜り寝る。この依頼は長期戦となるのでしっかり休んでコンディションを整えることが大切。
8時間後に起き出す。<浄化>をかけて寝癖などなおしておく。<魔術の目>で右目を<魔術の手>で左手を<>魔術の足残で右足をそれぞれ魔術エネルギーで作り出す。残り3時間で日が落ちて交代の時間になる。それまでに森の入口まで行き<転移>のマーキングをしておく必要がある。明日以降の探索を楽にするために。毎日歩いて村から1日程度の森へ行っていたのでは森の探索が出来ないから。
村の入口に<転移>のマーキングを確認する。入口にマーキングしておけばすぐに戻って来られる。日が落ちたら村の護衛を交代しなければならない。
村の周辺では新人冒険者や自警団や村人が歩く雑草や歩く枯れ草を倒している。歩く枯れ草のドロップ品である美味しい枯れ草は家畜に食べさせると乳の出が良くなったり毛皮の質が良くなったりする。農家が自分で手に入れるなり農家に売り付けるなりするのだろう。あるいは自分で食べてしまうか。美味しい枯れ草も食べれば生命力が上がり死ににくくなる。
村から森への道を辿って行く。村人が森へ通う時に使っていたであろう道。整備されているわけではないが森への道先案内をしてくれる。そこを走りながら進む。途中に襲ってくる歩く枯れ草や歩く雑草を蹴散らしドロップ品を即座に<アイテムボックス>へ入れる。足がバネのようになった跳ぶ雑草や空を飛ぶ飛ぶ雑草などが時折襲ってくる。対空スキルがないと少々戦い辛いモンスターたちだ。<魔術の矢>のスキルを使い矢状に変化した魔術エネルギーで蹴散らす。
そうこうしているうちに森の入口にたどり着く。ここまでに1時間程度かかった。残り2時間しかない。早速<転移>のマーキングを行う。マーキングは転移のレベル分しか出来ない。1なら一ヶ所。2なら2ヵ所。1日に使える回数も他のスキルと同じくスキルレベルに依存している。
次に<セカンドサイト>のスキルを発動し視点を飛ばす。鳥が空から地上を見下ろすように俯瞰の視点でダンジョンを探す。しばらく探すと森の入口から1日程度の少し開けた場所にあることが分かった。他にも森の奥のほうにいくつかあるようだ。
<飛翔>のスキルで空を飛んでいけばすぐだが森のモンスターの間引きもしなければならない。歩いて行くなら日暮れまでの残り1時間もない時間で辿り着けるかは不透明。
どうするべきか?
とりあえず一番近いダンジョンへ行き<転移>のマーキングを行うことにし、<飛翔>のスキルを発動し空からダンジョンに向かった。
対空攻撃されることもなく無事にダンジョンに着いた。早速<転移>のマーキングを行う。これで明日以降は楽ができる。
時間に余裕を持って行動したほうが良い。今日のところはこれで帰る。村に戻り交代しなければならない。




