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ワンダーランズ・ショウタイムは今日も平常運転です。

えむ「うぅ~っ、わんだほーいっ!!!司くん、類くん、寧々ちゃん、おっはよ~っ!!


類「おや、えむくん、おはよう。今日は珍しく随分と早いね。


寧々「...あ、えむ...。おはよう。今日は早いね...。ふぁ...、私はまだ眠い...。


司「おぉ!!えむではないか!!おはよう!!珍しく早いではないか!!どうしたんだ??


えむ「えへへぇ~、それがねぇ~、夢の中で司くんがバナナの皮ですってーんって転んでで、それでそれで、それを見た類くんが、フフフッ、って笑ってて、それを見てる一歌ちゃんが、空を飛びながら、「焼きそばパンは世界を救う...。」って言ってたんだぁ!!それでそれで、面白くて、それを早く皆に伝えたくて、早起きしたんだぁ!


類「ど、どういう夢だい?

               (類と司が一斉に)

司「どういう夢だよ!!


寧々「えむ、どんな夢見てるの...。


類「ッフフフ...。あ、そうだ司くん、今日は新しい演出を考えてきたんだ。試してみてくれないかい?(怪しげな笑みを浮かべ)


司「おぉ!!どんなだ?!俺は類の演出に12000%で応えるぞ!!(にまっと笑い)


寧々(うわ...、類、楽しそう...。類が笑って演出を語ってる時は大体ろくな演出しか提案し無い..。


類「ッフフ、聞いてくれるかい?司くん。


司「あぁもちろんだ!!


類「ッフフ、その名も――。【天空から舞い降りし伝説の神馬・司】!!


司・寧々・えむ「し、神馬(しんば)...?!


類「ワイヤーで空を舞いながら、馬の着ぐるみを着て登場するんだ。勇壮な雅楽風アレンジのBGMもつけてね!ッフフフ...。面白い事になりそうだね...。ッフフフ...。


寧々(司...。南無阿弥陀仏...。


司「おい寧々、いまものすごく失礼な事考えてないか...?


寧々「...気のせい、だよ。


司「うむ...。そうか...。っていうか、馬の着ぐるみだ?!俺がそんな小恥ずかしい事を...!!


類「おや...出来ないのかい...?未来のスターならなんでも出来て完璧だと思っていたのだけれど...。これじゃあ司くん、君は立派なスターには...(しょんぼりした表情で)


司、「なっ...。ぐぬぬ...。や、やってやろうじゃないか!!!俺は、未来のスターだからな!!(強気で)


類「ッフフ、そうこなくっちゃ。


寧々「ねぇ...、類。これ、本当に大丈夫なの...?またハロウィンショウの時みたいに落っこちたり...。


類「ッフフ、大丈夫だよ。前日にちゃんと確認はしてあるからね。(柔らかい笑顔で)...それにもう2度、司くんをあんな目にはあわせないよ。(真剣な顔で)


寧々「類...。うん、そうだね。


類「さぁ司くん!さっそく練習を始めようではないか!!


司「あ、あぁ!未来のスターとしていち早くでもこの役に入り込みたいところだ!!でも、着ぐるみの格好でどうやってワイヤーアクションするんだ?難しいんじゃ...。


類「ッフフ、よくぞ聞いてくれたね。そう、司くんの言う通り、着ぐるみ状態では通常のワイヤーアクションは難しい。だから僕は考えたんだ。“空翔る神馬のレヴェリエ”を!!


司「れゔぇりえ...???


類「そう、司くんの大きな動きでも空中を完全再現できる、革命的な演出だよ!レヴェリエは“夢幻の宴”って意味だよ。観客はきっと、空を舞う一頭の神馬に、伝説のはじまりを重ねるだろうね!!(スポットライトが当たってるかのような気迫で)


司「ふんふん...。


類「まず、幕が上がると同時に、君はステージ奥から“駆ける”。その足音と共に、光が走り――宙へ舞う!観客が驚きで目を見開いたその瞬間! 神馬の尾が、優雅に宙をなびかせるんだ!!そして、空中での“360°開脚回転トルネード”!


えむ「わぁぁっ!!聞いてるだけでとぉっってもわんだほーいっ!!!


類「最後は、星降るようなスモークの中、ゆっくりと――神馬が地上に降り立つ。そう、“伝説の舞い降り”。...君にしかできない演出だよ、司くん。


(数秒沈黙が続く)


司「か、か...。


寧々「司...?無理にやらなくても...


司「か、かっこいい!!


類「ッフフ、どうだろう。司くん、君の為に考えた演出だ。やってくれるかい?


司「もちろんだとも!!この未来のスター、類の演出に1200%で答えてみせる!


類「ッフフ、嬉しいよ司くん。じゃぁあ...さっそくこれを着てくれるかい?


えむ「うわぁっ!!すっごい!!サラッサラ~っ!!すっっごくリアル~!!


寧々「こんなの売ってるんだ...。


類「ッフフ、寧々。僕を甘く見てもらっちゃ困るよ。僕はワンダーランズ・ショウタイムの演出家だ。ある程度手先は器用だよ。


寧々「ま、まさか手作り...。?


類「ッフフ、そうさ。3徹して手縫いしたからクオリティには自信があるよ。じゃあ司くん、さっそく着てくれるかい?


司「あ、あぁもちろんだ!


~10分後~


司「る、類!着替え終わったぞ!これでいいか?(ステージの下手から顔をひょこっと出す)


えむ「わぁっ!!司くん、すっごく似合ってるよ!!可愛い!!


司「む、えむ。俺は”可愛い”では無く、”かっこいい”だろ!


類「ッフフ、司くんは”かっこいい”より、”可愛い”の方似合ってるよね。(顎に手をあてて)


司「なぬっ...類まで言うのか...。(驚きと照れ)


寧々(司はかっこいいよりも、可愛いよりも、”うるさい変人”が似合ってる気が...。


司「む、寧々、今度こそ失礼な事考えてるだろ...。俺の目は騙せないぞ!


寧々「...本当の事だし...。(むっとする)


類「ッフフ、いいね。よし、じゃあセリフ確認と役確認をしようか。まずは役確認だ。


司「俺は神馬アルセリオスだな!


類「そして僕が語り部クロノス。


えむ「で、あたしが神馬に夢の空を教える希望の妖精、星の導き手ルミリィちゃんだね!!


寧々「私が...、神馬に試練を与える影の予言者、黒き予兆ノクティア。出来るかな...。


類「ッフフ、皆、役の配分は良いかい?


えむ「うん!いいよ~っ!!


寧々「うん...。出来るか不安だけど...、大丈夫。


司「あぁもちろんだ!!神馬アルセリオスを完璧に演じてみせる!


類「ッフフ、頼もしいね。そしたらセリフを確認しようか。じゃあいくよ...。


類(語り部クロノス)『昔々、空を駆ける一頭の神馬がいた――。その名はアルセリオス。空を渡り、星を導く伝説の存在。...。けれど、誰もその姿を見たことはない。なぜならそれは、“夢の時間”にしか現れないからだ。(ゆっくり歩きながら、低く響く声で)


司(神馬アルセリオス)『夜風よ、星よ、夢よ――俺の背に乗れ!駆けるぞ!夢の空を!!


えむ(星の導き手ルミリィ)『きゃはっ☆ アルセリオスく~ん!上手に飛べたねっ!


司(神馬アルセリオス)『ふっ、当然だ。俺は伝説の――。


寧々(影の予兆ノクティア)『...。伝説? ...その言葉、口にするにはまだ早い。


類(語り部クロノス)『突如現れた、影の予兆ノクティア。神馬に課されるのは、空の試練――星を超えるための風の迷宮だ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


類「うんうん、いい感じだね。セリフはばっちりだ。後は本番まで練習あるのみだ。


~本番当日~


寧々「皆さん、今日はワンダーランズ・ショウタイムのショーを見に来てくれてありがとう、ございます。


えむ「皆~っ!!今日は楽しんでいってね~っ!!では、開演~っ!!


(舞台が暗くなり、舞台の真ん中にスポットライトが当たり、類が出てくる。)


類(語り部クロノス)『昔々、空を駆ける一頭の神馬がいた――。その名はアルセリオス。空を渡り、星を導く伝説の存在。...。けれど、誰もその姿を見たことはない。なぜならそれは、“夢の時間”にしか現れないからだ。(ゆっくり歩きながら、低く響く声で)


司(神馬アルセリオス)『夜風よ、星よ、夢よ――俺の背に乗れ!駆けるぞ!夢の空を!!(ワイヤーで跳躍)


(客がわぁっ...。と息を呑む)


えむ(星の導き手ルミリィ)『きゃはっ☆ アルセリオスく~ん!上手に飛べたねっ!(ぴょんっと空中ブランコ風に降下)


司(神馬アルセリオス)『ふっ、当然だ。俺は伝説の――。


寧々(影の予兆ノクティア)『...。伝説? ...その言葉、口にするにはまだ早い。


(影の演出。ステージに黒い靄が広がる)


類(語り部クロノス)『突如現れた、影の予兆ノクティア。神馬に課されるのは、空の試練――星を超えるための風の迷宮だ。


寧々(影の予兆ノクティア)『その空は“ただ美しいだけ”じゃ、渡れない。伝説を名乗るのなら――この風を超えてみせて。


司(神馬アルセリオス)『その挑戦、受けて立とう!!


(ステージに風エフェクト、宙を跳ねて連続回転)


えむ(星の導き手ルミリィ)『がんばれ、神馬くん!信じてるよ~っ!!


類(語り部クロノス)『試練の風を舞い、影を裂き、その身にまとうは――、夜を駆ける星の意志。


(ジャンプする。360°開脚回転トルネードが決まるり観客歓声。)


寧々(影の予兆ノクティア)『...この風が...歌ってる...?!


(司がゆっくりと着地。堂々と立つ)


司(神馬アルセリオス)『伝説は...越えていくためにあるんだ!!


類(語り部クロノス)『こうして神馬は夜空を越え、伝説のその先へ――舞い降りた。星々は讃え、風は踊り、夢は、目を覚ます。


司(神馬アルセリオス)『皆の夢がある限り...。俺は、空を駆け続ける。もう迷わない。もう、止まらない!


えむ(星の導き手ルミリィ)『やったねっ、アルセリオスくん!!(目を輝かせて)


寧々(影の予兆ノクティア)『...ま、今回は認めてあげる。


司(神馬アルセリオス)『ふふんっ、当然だろう!俺は――、空翔る神馬、アルセリオスだからな!!


類「今宵のショウ、お楽しみいただけたかな?夢の一夜の“レヴェリエ”、これにて――終宴。


(客がわぁぁぁっと湧く)


~ショウ後~


えむ「今日のショー、とーってもわんだほいだった!!


寧々「まぁ...。悪くはなかった...。


類「フフッ、そう言ってくれて嬉しいよ。司くんはどうだ――。


司「すっっっっっっごい楽しかったぞ!!類、お前の演出があってこそのショーだ!ありがとう。次のショーの演出も、期待してるぞ!!


類「...!


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