表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

妹への恋 -捻じ曲がった恋- 「2」

「なぁ亜優? お前彼氏作らないの?」

本当に平静を装いながら聞いてみた。

心臓は凄い鼓動だが……

「彼氏? ……お兄ちゃんは彼女出来たの?」

お前の事、妹としてではなく女として好きなんだ!

頼む、彼女になってくれぇぇぇ!!!

と心で叫びながら……

「俺は居ないけど…… ほら、亜優もてるだろ?」

「ん~ どうだろうね?」

なんと曖昧な答えなんだ…

俺は核心に迫ろうと勇樹を出し聞いた。

「そしたら…… 好きな奴はどうなんだ? 居るのか?」

「うん、居るよ?」

………………

え? 今なんと言った?

好きな奴が居るのか?!

……しかし、よく考えればおかしくは無い事だ。

亜優も年頃の女、好きな人の一人や二人は仕方が無い……

そう思わないと、これからの一週間の計画が水の泡になってしまう!

しかし、亜優が好きな人って…… 誰なんだ?

俺の可愛い亜優が思いを寄せる生意気なヤローはっ!

「へぇ~ 誰なんだよ?」

「ん? お兄ちゃん」

心臓がヤバイ位に早い。

「お…俺? 亜優が好きな人って……」

完全に動揺してる……。

それを知ったか知らないか、亜優が俺を見つめた。

「私… お兄ちゃんが好きなんだ… 兄弟なのに……」

多分、今の俺の顔を鏡で見たら、だるまみたいに顔が赤く目が見開いてるに違いない。

「え…………?」

ようやく口に出せた言葉は、一言しかなかった。

「いけない関係だって言うのは判ってる…… でももう自分に嘘は嫌なの……」

いきなりの急展開に頭が真っ白になっていく

胸が痛い。 胸が苦しい。

俺達はお互い思い合っていたのか?

亜優は彼氏も作らず、俺への恋心を胸に秘めていたのか?

しばらくの沈黙。

お互い、目を見詰め合ったまま、静かに時が流れている。

そして、俺は思い切って口を開いた。

「お、俺も………」

「あっはっはっはっはっはっは」

言葉を発すると同時に、妹は大爆笑をしてる。

頭の中は混乱してる。一言で言い表すのであれば「え?」だ。

そんな俺に笑い転げている妹は言葉を続ける。

「うう~~~ もぉ~笑わせないでよぉ~ お兄ちゃんの顔面白すぎ~

 そんな真面目な顔して~~~」

えっと、茶化されてただけって事?

「お兄ちゃんだよ~? 好きは好きだけど違う意味に決まってるじゃん~」

………

「あははは~ 分かってたって~」

話を合わせることしか出来ない俺……

ぎこちない作り笑いをする事しかできなかった。

はぁ~ そりゃそうだ… そんな甘い話があるわけないか……


「ねぇ?それはそうと… 晩ご飯どうしようか?」

亜優に言われて気がついたが、晩御飯の事をすっかり忘れていた

「そうだよな… 何かあったっけ?」

「カップ麺位かな? 亜優は別に構わないけど…」

「あぁ… 俺も構わないや」

「おっけ~ 時間まだ早いけど今から食べる?」

壁にかかってる時計を見ると、時刻は6時だった。

確かに晩御飯の時間では無い。

だが、亜優が折角作ってくれるというのだ。

俺は断る事なんか出来ません。

「頼むわ」


カップ麺を二人で仲良く食べ、(と言っても、会話は殆ど無かったんだが)

なんとなく部屋へ行くのが面倒で、制服姿のまま居間でくつろいでいた。

亜優も同じなのか、制服姿のまま居間に居て、同じテレビを見ていた。

映し出されているのは特に面白くも無い芸人が次から次へとショートコントを披露する番組だ。

亜優はそれを見てげらげら笑っているのだが、俺はその亜優の姿を見ながらニヤニヤしていた。

制服姿があまりにも可愛いのだ。

くどいようだが、とてつもなく可愛い妹なのだ。 仕方が無い。 不可抗力なのだ。

そんなつかの間の幸せを感じていると、

「あ、亜優お風呂入るけど、先いいかな?」

勿論おっけーです! 亜優の入った後じゃないとお風呂が楽しくないじゃないか!

体を洗うゴシゴシのやつや、風呂場の椅子、浴槽に至るまで、

亜優が使った後だから、俺は幸せを感じるのに……

「先入っていいよ。 俺は後から入るから」

「さんきゅ~ お兄ちゃん~」

そう言うと、自室へ着替えを取りに行った後、

「んじゃお先に~」

と言い残し、お風呂場へと向かって行った。

そして俺はテレビを見た…… のだが、

シャワーの音に意識を奪われ、テレビ所ではないのだ。

両親が不在で、大好きな妹がお風呂に入っている。

覗きに行かないで、男を語れるのか?! 涼ぉぉぉぉ!!!

頭の中で天使と悪魔が凄く激しく言い争っている。

天使「覗きなんて最低だよ?!」

悪魔「ばれなきゃいいんだって!」

天使「ばれた時には言い訳できないよ? 一生口聞いて貰えないかも!」

悪魔「理由を作ればいいんだよ。 ばれたらばれた時だって」

天使「駄目よっ!」

悪魔「お前も見たいんだろ? 天使さんよぉ~」

天使「……」

言い返せ!天使! このままノックダウンでいいのか?!

悪魔の囁きに言い返せないのかよぉ~!

悪魔「ほら… 見たいんだろ? 行こうぜ?」

天使「ちょっとだけだぞ?」

悪魔さんの勝利~ というわけで、まるでコントの泥棒のように

欧米並みのアクションで、こそ~っと浴室へと足を運ばせる。

…… 両親が居るときだと絶対に出来ないな… こんな事。

こそ~っと…

…………

「おにいちゃ~ん? リンス無いから持ってきて~?」

心臓が止まった。 

亜優の奴、どこかで見てたのか?! あまりにもタイミングが素晴らしい。

これが女の勘というやつなのだろうか…… と馬鹿なことを考えつつ

「分かった~」

と返事をしておく。

いつもなら母親に言うような事なのだろうが、今は俺しか居ない。

リンスの詰め替えを置いてる洗面台の下から取って持って行……

洗面台?!?!


拝啓 妹

洗面台というのは、脱衣所にあるわけで…

それを取ってくれって言う事は、中に入っていいと言うわけで…

お兄ちゃん、興奮しちゃうわけで…

ら~ら~~ ららららら~ら~


「早く持ってきてよ~?」

亜優の声で現実の世界へと引き戻された

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ