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モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている【本編完結】  作者: 光命


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第22話 魔獣トロイトとの戦い ~ソフィアサイド~

あやつは相変わらずとろいのぅ。

こんなトロイトごときに苦戦しよって。


まぁ、でも少しは傷つけられるようになったのは成長しておるのだろう。

もう少しへっぴり腰が直れば、致命的な傷もつけられるようにはなるかもな。

まだまだ強くなってもらわねばならぬのに。

これぐらいの相手なら、一瞬で終わらせてほしいぞ。


「さぁ、遊びは終いじゃ。

 とっとと終わらせるぞ」


興奮しているトロイトの前へと進んでみた。


「ブホ、ブギッ」


あれだけ興奮しておったら視界が狭くなるのぅ。

真正面しかみておらんわ。


「ブホブホ言いながら興奮するな。

 まずは落ち着け」


トロイトに向けてそう言ってみるが……


「ブモブモー」


変わらず怒り狂っておるようじゃ。


「まぁ、そんなこと言っても通じんか。

 ワシにとってはこのまま興奮していてもらってもかまわんがのぅ」


トロイトは確か地属性だったかのぅ。

相性からすると水属性なのだが……


「さてと……

 普通なら相性を考えて、水の魔法を使うのじゃが……」


あやつも力をつけているから、ワシの力もだいぶ……

これならどの属性でも大丈夫じゃろ。


「すぐに終わらせてやるぞ」


トロイトに対して見えを切ってみたのじゃが……


「ブロロロロー、ブモブモブモブモー」


余計興奮させてしまったようだのぅ。

これが本当の猪突猛進ってやつかのぅ。

勢いよくこちらに向かってきた。


「あーあーあー。

 いやだのぅ。

 力任せに来る獣は……」


ワシの目の前で突進してきたトロイト。

顔の前にさっと手を伸ばすと、ビックリしたのかトロイトの動きが止まった。


「何か感じたか。

 これを感じることが出来たのであれば、まぁ及第点じゃ。

 じゃが、動きを止めたらいかんぞ、お前」


ワシの魔力に圧倒されたのか、怯えながら後ずさりをし始めたぞ。


「もう、遅いわ。

 闇の炎(ブラックフレイム)」


黒い炎が手のひらからほとばしる。

いつもより力が溢れている感じがするのぅ。

炎もいつもより力強くでているようだ。


そしてトロイトが黒い炎に包まれる。


「ブフ、ブブフ……」


炎で燃え盛りながらもさらに後ずさりして逃げようとしておるわ。


「ほほぅ。

 さすがヌシと言われるだけあるのぅ。

 この一撃だけでは燃やしきれんか」


結構な力で放ったと思ったのじゃが……

まだまだ完全復活ではなさそうじゃのぅ。


「それではもう少し放つかのぅ……

 闇の炎、闇の炎、闇の炎……」


耐えきられたのも癪にさわったので、数十発打ち込んでやったわ。


「おい、ゾルダー。

 何発繰り出すんだ!」


あやつが止めに入ってくる。

別に何発撃ってもいいじゃろう。

どうせ倒せねばならぬ相手じゃ。


「さらにおまけじゃ。

 闇の炎」


複数の炎を浴びたトロイトはさらに燃え上がり、暴れまわっておるぞ。

しかし、そのうち力尽きたのか、突っ伏して倒れおった。

しばらくすると角以外は灰となり、跡形もなくなりおった。


「ちょっとやりすぎじゃないのか」


あやつもちょっと慌ててるようじゃ。

小娘の娘は口を開けたまま呆けている。

よっぽどビックリしておるのかのぅ。


「とりあえずはこれでヌシは片付いたのぅ」


「片付いたどころではないけどな。

 やりすぎだよ、ゾルダ」


あやつは頭を掻きながら、呆れた顔をしておった。


「ひぁー。

 何がどうなっているんだー」


小娘の娘がようやく正気に戻ってきたのかしゃべりはじめてきたのぅ。

ちょっと本気を出し過ぎたかのぅ。


「まぁ、ワシにかかればこんなもんよのぅ。

 これで安心して洞窟の中の奴らに挑めるのじゃ」


「確かにそうだけどさぁ。

 ヌシってことは守り神ってことでもあるだろう。

 そこまでやらなくても、追い返すくらいでよかったんじゃないか」


あー、もううるさいなー、あやつは。

倒したんだからどうでもいいじゃろう。


「このワシにケチをつけるのか。

 もし生かしておいて、洞窟に入ったときに中の魔物と挟み撃ちされたらどうするのじゃ」


「コテンパンにすれば、怖がってもう近寄ってこないだろ。

 それぐらいで良かったんだよ」


あやつは甘いのぅ。

あれぐらいの知能であれば数時間立てばそんなことは忘れてしまうじゃろ。

ここは倒して正解なのじゃ。


「だから完膚なきまでに叩きのめしてやったじゃろ。

 もうこれで襲われることのない。

 灰になったのじゃからのぅ」


ワシは何も変なことはしておらぬぞ。

ワシの前に立ちふさがる者はすべて跡形もなく消し去るのみじゃ。


「もう終わったことは仕方ないし、次から気をつけてよ、ゾルダ」


なんかワシに対してあやつが言ってきおった。


「何を気をつけろというのじゃ」


「やりすぎに気をつけてな」


これのどこがやりすぎなのじゃ。

人の考えはよくわからんのぅ……

まぁ、いい。

とりあえずこれで先に進めそうじゃ。


まずは戦果のトロイトの角だけ回収はしておこう。

しかしこの辺りは奇麗に焼けたのぅ。

なかなかの焼け具合じゃ。

ワシもだいぶ復活してきておるのかのぅ。


「あーあ。

 こんなんにしちゃってー」


小娘の娘が周りを見回しながらこちらにやってきた。


「んっ、お前もワシのやり方に文句があるのか」


「いやー。

 やりすぎだとは思うけどー……

 ゾルダのおかげで助かったのは事実だし……

 ……ありがとうー……」


小娘の娘は今までの明るさが消え、真面目な顔をしてワシに言ってきた。


「なんかしおらしいのぅ」


「……そんなことはないよー……」


ワシの圧巻のパフォーマンスに言葉もないようじゃ。

そうじゃろそうじゃろ。


「さぁ、後顧の憂いはなくなったのじゃ。

 先へ進むぞ」


「そうだな。

 真の目的は洞窟の方だし」


「……そうだねー……」


北の洞窟に向けての移動を再開するが、道中あれほどうるさかった小娘の娘が静かになった。

今までうるさいぐらいだったから、ちょうどいいかもしれぬ。

じゃが、何か怯えているような気がするのぅ。

ちょっと怖がらせてしまったかのぅ。


それからしばらく進むと、北の洞窟の入口が見えてきた。

さて、ここからが本題の魔物との対峙するところじゃのぅ。

道中が長すぎだのぅ。

早く行くぞ。

正面突破じゃ。

どんな魔物がいるか楽しみじゃわい。

作品をお読みいただき大変ありがとうございます。

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