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便利屋に依頼がこない  作者: ニシロ ハチ
7/56

依頼がこない七日目


「ここんとこ毎日来るけど、実家に帰らなくていいの?」ミンチは二人に言った。

「うちとこは大丈夫です」Qちゃんが答えた。

「僕も平気っす」ナナ氏は言った。「それより、一週間っすよね。便利屋を開業してから、お客さんが来る気配が無いっすけど、大丈夫っすか?」

「まぁ、なんとかはなってる」ミンチは答えた。大体は予想通りだ。ただ、一ヵ月後も依頼がこないとなると、流石に焦って来るだろうけど。今の所は宣伝活動を続けるしかない。

「僕のバイトの方が稼いでるんじゃないっすか?」

「そうだろうね」

「飲食店やったっけ?」Qちゃんはナナ氏にきいた。

「塾の講師っすよ」

「そやった。ニアピンや」

「全然違うっす。Qちゃんはバイトしないんすか?」

「する気ないよ。うち、バイトって肌に合わんっていうか、向いてないんよね」

「やったことないっすよね?」

「ない」

「仕送りあるんだからいいっすよね」

「そりゃそうよ。働かずして食うが至高。うちの格言よ」

「バカみたいなこと言って恥ずかしくないんすか?」

「全然。働かな生活出来ん社会が間違っとる。一生、家でダラダラしてたいし、猫と小判が欲しい」

「豚と真珠だったらあげるっすよ」

「どっちもいらんな。真珠って数が少ないだけで、そんなに綺麗なもんちゃうよ」

「小判なんかどうするんすか?」

「そら、売るしかないよ」

「真珠も売ったらいいじゃないっすか?」

「そうやな。売ってもいい。でも、豚なんか貰ってもよう捌かんわ」

「他にないんすか?」

「なにが?」

「バカみないな格言」

「バカじゃないわ。世界の真理よ。えっと、まだまだ、あるで。ベッドの上に三年」

「ちょっとエッチじゃないっすか?」

「アホ。なに想像しとんや。グータラしとるってことや」

「他は?」

「目くそは鼻くそを笑う権利がある」

「なんでっすか?」

「目くそは涙になれんかった残り物やけど、鼻くそは鼻水が固まったやつやからな。雲泥の差よ」

「汚いっすよ」

「しゃーない。この世の真理やから。あとは、自分に合った枕はどこにもない。もう一つは、自分に合った枕がなくても寝れる」

「働かないでそんなことばっかり考えてるんすか?」

「貴族の血が流れとるんよ。お上品やろ」

「誰がっすか?」

「うちやて」

「常に盲目っすね」


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