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便利屋に依頼がこない  作者: ニシロ ハチ
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依頼がこない十五日目 3



 ミンチは食料品を大量に買い溜めた。

 スーパからの帰りに、伊藤からきいた話を整理していた。

 殺された山内は、あの時間、あの場所に呼び出されたのだろう。そして、入って直ぐに、背後から刺された。何度も刺されて、外からは見えない位置に運ばれた。呼び出したのなら、被害者の端末に残っている記録を見れば、犯人が特定出来そうなものだ。

 城向の話では、山内隆は、内通者というか、組織を裏切って情報を流していたらしい。それが御堂筋にバレて、呼び出されて、そのまま殺されたのだろうか。大きな矛盾はなさそうだ。ただ、御堂筋は、死体を隠さずに、どうして放っておいたのか。仕事が始まれば、必ず発見される。プロなら、見つからない様に死体を処理するだろう。彼は詐欺グループの一員であって、殺人に関しては詳しくないのかもしれない。

 御堂筋は、行方を晦ませて、美月やヒカリの暗殺を企てている。いずれ、自分の邪魔になるから、排除しようとしているのか。ただ、御堂筋は確実に捕まるだろう。自分が捕まっても、組織の為に動くやつなのだろうか。

 それに、この暗殺計画には、御堂筋の上にいる赤井が絡んでいるだろう。赤井は、自分の娘の暗殺を望んでいる事になる。

 御堂筋が捕まれば、暗殺を実行する人がいなくなり、二人は、しばらくは殺されずに暮らせる。でも、赤井がいる限り、二人が安全になる事はないだろう。御堂筋が捕まるのは、時間の問題だ。放っておいても、警察が捕まえるだろう。でも、赤井を捕まえないと、意味が無い。御堂筋みたいに、頭のネジが飛んでいるやつが現れたら、再び二人の身に危険が及ぶのだから。

「これはこれは。買い物でござるな」正面から声がして、相手の顔にピントを合わせると、矢島がこちらを向いて立っていた。

「どうも」ミンチは挨拶をする。

 矢島は、横に来るまで待っていたので、並んで歩く事になった。

「ベランダの件は、ありがとうございます」ミンチは、改めてお礼を言った。

「構わんでござるよ」

 しばらく歩いていると、後方に不自然な人影が見えた。物影に隠れてこちらの様子を伺っている。曲がり角で曲がって、少ししてから振り返ると、やはり、こちらを見ている。尾行の仕方が下手なやつだ。

「周りを見ないできいて下さい。つけられているかもしれません」ミンチは矢島に言った。

「なんと?」矢島は、反射的に後ろを振り返った。

「だから、振り返らないで」こちらが尾行に気付いていると、相手に悟られたくない。

「おっと。かたじけないでござる」矢島はぎこちなく前を見て歩く。「相手は、この前話してくださった、敵でござるか?」

「たぶん。このまま一緒にアパートに帰るのは、良くないです。次の交差点で左右に別れましょう。恐らく、相手は僕をつけると思いますが、どうなるかはわかりません。真っすぐに家に帰らずに、曲がり角を曲がって、直ぐに少し走ったり、または、物影に隠れて、やり過ごしてから、家に帰って貰っても良いですか?」

「当然でござる」

「面倒な事に巻き込んでしまって、すみません」

「謝罪の言葉は不要でござるよ。某と卿は同盟を結んだ間柄でござる」



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