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銀の銃弾と血潮の姫  作者: シン
接続章 しんぼるまあく
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しんぼるまあく

間章&接続章&ショートストーリー第二弾。


書き下ろしですが、過去最短になってしまいました。てへ。


 オリオン座の星の配置を、ホワイトボードに描き込んでいく。それらを直線でピッピと繋いで、完成。


「これでいいだろ」

「よくねーよつまンねー」


 自分で意見を出しもしない癖に、机に頬杖をつきながらヤジをとばしてくるのは、我が部隊の囮捜査官、ナタリー・ネスフェリア中佐だ。


 見た目はスマートながら出るとこは出た、欧米チックな美人さんなのだが、態度は面倒なおっさんだ。正直絡まれたくない。


 俺は我が部隊の情報担当にして癒し担当、西林雅少佐に向き直る。


「で、結局なんでシンボルマーク?」


 そう、今俺たちがしているのは、第十六小隊、通称オリオン隊のシンボルマークを決めるための会議だ。


 隊長は「決めたかったら決めといてよろしく」とだけ言いおいて出て行ってしまった。

 忙しい人ではあるので、致し方ないとは思うが、それにしたって投げやりだ。

 それに――


「決めたかったら、だもんな」


 決めなくてもいいということだろう、実際。


 ならばなぜ、そんなものを考えることになったのか、そこから知りたいと思ったのだ。


 雅少佐は人差し指をピッと立てると、タクトのように振った。


「最近流行っているんです。自分たちの組織を象徴するようなマークを掲げることが」

「そうなんだ?」

「はい。世間ではそうでもないですが、他の部隊や、吸血鬼の一部でもそのような風潮が見られます」

「えらく狭い界隈での話だった……」


 知らなくても無理はないと思うのだが。というか、吸血鬼と同じことが流行っている対吸血鬼特殊工作部隊は、なかなか吸血鬼に毒されていると言える気がする。


「星繋ぐとか、ありきたりすぎてつまンない~」

「じゃあ、オリオンそのものを描くか? 英雄のおっさん」

「シンボルマークがおっさんとかアガらないだろーが」

「知らんがな」


 本当、文句ばっかり一丁前なお姫様だ。


 雅少佐は、議題を持ち込んだ責任感からか、ぽつぽつアイデアを言ってくれるが、なかなか芸術性が高いものばかりで、ナタリーに「描けない」と一蹴されていた。それでも俺よりは優しい否定だった。なんでだ。



 それから、あーでもないこーでもないと話し合うこと二時間。


 本当にろくな意見も出さずに文句ばかり言い続けたナタリーに、イライラが最高潮に達した頃。

 ようやく、ナタリーが納得の色を浮かべた。俺の投げやりな提案に。



 結局、オリオン隊のシンボルマークは「・・・」で決定した。

 これは、オリオン座の中央に位置する、有名な三ツ星を模している。オリオン隊の特殊武装【トライスター】を模しているともいう。


 まあ、折衷案というやつだ。決まらないからな、しょうがない。




 なお、後日隊長に却下されて、シンボルマークプランは白紙となるのだが、それはまだ先のお話。


次からは第三章へと入っていきます。

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