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青春devil  作者: 風水立風
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引っ越し

なんか予想以上グロくなってしまった気がする。最後の方はちょっとグロ注意してください。

深い深い霧が覆っている森の中に二人の人間がいました。一人はまだ小さく幼い少年のようでした。もう一人は背が高くとんがり帽子をかぶっておりまるで西洋の魔女のようでした。二人は向かい合っており魔女の方が少年に何かを囁きました。すると少年はその場で倒れてしまいました。




〜8年後〜

多くの寺や神社、自然に囲まれた街金森市。かつて大きな都が作られたこの街は今では沢山の観光客が訪れる観光スポットになっていた。そんな街に俺は引っ越してきたわけだが

「あれ、道合ってるよなぁ?」

道に迷ってしまった。家主に地図を描いてもらったのだがこれまた酷い地図で駅と主要な道路しか書いておらずそれでもなんとか解読して近くまで来た筈なのだが見つからない。と言うかそもそもこの地図合ってるのだろうか?

「こういう時の便利な道具携帯電話!」

最初からこうすれば良かったのだ。めちゃくちゃな地図をなんかよりこれを使えばすぐに分か……

携帯の画面には充電切れのマークが点滅していた。

「マジかよ……」

コミュ症だから本当は避けたかったのだが交番に寄り道を聞くしかないようだ。

あ、

「この街数回しか来たことないから交番の場所わかんねーわ」




歩き始めてから数時間後、近くにいた人とか掲示板に貼ってあった地図とかを見てなんとか辿り着いた。人に聞くのはかなり勇気が必要だったが取り敢えず着けて良かった。結局駅からは普通に行けばおそらく15分、あの地図を解読すればなんとかつけるようにはなっていた。そんなこんなで俺が今日から下宿することになった金森家の家に着いた。インターフォンを押すと中から主人である金森正介さんが出てきた。彼は独り身の医者であり僕の【師匠】?【主治医】?的な存在である。

「随分遅かったじゃないか。もう荷物運んであるよ」

ついでに言うならあの地図を書いた僕の家主でもある。

「いろいろとありまして」

僕は少し引きつりながら答える。遅れたのはあんたのせいだよ、バッキャロー!

「もうこの時間は寒いから風呂に入ってきなさい」

正直体が冷えていたのでそれはありがたい。

「分かりました!」




お風呂は今時珍しい木製でタライをめっちゃでかくした感じだった。お湯はすでに湧いており湯船からは白い湯気がうっすらと立ち上っていた。

体を洗い顔を洗いさあ湯船に浸かろうという時右足に酷い激痛が走った。その痛さは常人だったらおそらく気絶するような痛みで僕もまだ数回しか経験したことがない。

「アァァァァ!!!」

あまりの痛さで悲鳴をあげる。

数秒経つと次第に痛みが引いていった。

「ハァ、ハァ。」

痛みがあった右足を見ると予想通り。


獣の足があった。


獣とは言ってもこの世界にはいないような獣で指が6本、爪が異常に長く肌の色は焦げた茶色、おまけに人間の足より一回り大きくて少し毛深い。こんなのがいたら町中大惨事だ。そしてこれが俺が金森家の家にお世話になる理由でもある。


悲鳴を聞きつけた金森さんは躊躇することなく風呂場のドアを開け

「どうした!?」

と俺に声をかけた。そして俺の足を見ると

「これが言ってたやつか……」

「……はい」

微妙な空気が流れる。

「やっぱり悪魔化だね。」


悪魔化。これが俺の病気である。正確には病気ではなく呪いらしいのだが俺にはよくわからない。金森氏いわくこの呪いを受けたものは一定の年齢を越すと症状が現れ四肢が順番に悪魔の体になっていき最終的には悪魔に体を乗っ取られてしまうと言うものらしい。基本的には治す方法はないのだが新たにできる6本目の指を切れば一時的に治るらしい。ただそれは一時的であって完全には治ったことにならない。悪魔化が進むのは個人差があるためいつどこで悪魔化するか分からない。また一応自分から悪魔化することもできるらしいが俺はやろうとは思わない。完全に悪魔になるとありとあらゆるものを破壊し、魔界と呼ばれる場所に行くらしい。また金森さんはこのような呪いやオカルト的なことも研究しており今回俺が下宿することになった理由もこの呪いを完全に治すことを目的としている。


「ちょっと器具持ってくるから待ってて」

「分かりました」

俺が言うと金森【先生】は奥に行ってしまった。一人もう一度自分の足を見る。もう二、三度見たはずなのに何度見てもいい気分がしない。そして恐ろしい。この足でいつか誰かを傷つけてしまわないか、誰かを苦しめてしまわないか、誰かを殺してしまわないか。考えただけでも気分が悪くなる。

そんなことを考えていると先生は直ぐにやってきた。その手には見ただけでもやばいやつだと分かるようなものが沢山ある。

「先…生…?その手に持ってるものは何ですか?」

「骨を切るのに必要な道具だよ。ほらその指骨がまだ入ってないとはいえ固そうだし」

「先生。一つ言い忘れていたことがありました」

「?」

「これは手でも千切れます」

「……え?」

俺はそう言って新しく出来た指を……


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