表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/158

石板集め1

転移の狭間(はざま)からエリシアスの遺跡のロビーへと降り立つ。

「今あそこの奴ら、転移の狭間(はざま)から出てこなかったか?」

「んなわけないだろう。妙なパーティだがな」

突然現れた僕らに、近くを歩いていた冒険者がギョッと二度見していた。

今日は冒険が多いんだな。転移魔法を見られたかも……。

レヴィアとルミネスはメイド服、僕は制服だ。この組み合わせなら、転移魔法に関係なく二度見されても仕方ないよな。

レヴィアはエリシアスの遺跡に来るのは初めてらしい。周りの視線よりも、神秘的な造りのロビーに夢中になっていた。

「ここがエリシアスの『遺跡』ですか。王都の遺跡よりも整備されていますね」

「王都にも遺跡があるの?」

「はい。しかし、ギルドが管理していないので内部の情報が殆どありません、気軽に人が立ち入れる場所ではありませんね」

そうなのか。エリシアスの遺跡は状態も割とよく、各国から研究者が集まのと比べ結構違うね。

さて、今回のターゲットは、養成学校課外授業のときに遺跡で戦った石板の操り人形『ゴーレム』だ。

僕がSSSランク・ファラオの名前の由来になった、キングオブファラオが操る『ゴーレム』は、上質な魔法の石板で作られている。そいつを砕き、ほどよいサイズにして持ち帰る。

「受付を済ましてくるからそこで待っててよ」

ルミネスとレヴィアに祭壇の前で待機してもらい、受付へと向かう。

受付から相変わらずのカエルローブが顔を(のぞ)かせている。受付嬢の『ケロリア』さんには先日、オークションで会ったばかりだ。

「やっほ~ドミニク君、近頃よく会うね~。今日は授業はお休み?」

「こんにちは、午後はお休みなんですよ。ゴーレムが一杯出るクエストをもらえますか?」

「はいはいっと! この『ゴーレム退治』のクエストでいいかな? わざわざ退治クエストを受けなくても、遺跡内部にいくらでもいるんだけどね~」

まぁ、そうなんだけどね。事前にクエストを受けておくと、討伐の証をギルドに渡すことで報酬をもらえるし、ちょっとお得になる。

「このクエストを受注させていただきます。ありがとうございました」

「ほほぃ、頑張ってね~」

ケロリアさんからクエストをもらい、再び2人のいる祭壇まで戻る。

「ただいまー、クエストをもらってきたよ。早速、遺跡の中に入ろうか!」

「ちょ、ちょっと待ってください!」祭壇に触れようとした僕の手を、レヴィアが慌てて防いだ。

「先にクエストを見せてください……不用意に遺跡の内部に入るのは危険です」

「そんなに難しいクエストじゃないし心配ないよ」

クエスト用紙を渡すと、レヴィアは食い入るように隅から隅まで目を走らせている。

心配症というか真面目というか……いかにもレヴィアらしい。

「むむ、これはゴーレムを倒すクエストですね……ドミニクは魔法師。ルミネスも近接が得意には見えませんが……魔法の効かないゴーレムをどうやって倒すつもりなんですか?」

「「ん??」」と、僕とルミネスは同時に首を傾げた。

……ゴーレムをどうやって倒すかだって? 質問の意味がよく分からないな。

確かに、ゴーレムの体に使われている石板は魔法耐性が強いけど、特に問題はない。

「魔法の威力は軽減されるけど倒せないってほどじゃないね。でも、ルミネスもいるし、適当に殴っても倒せると思うよ」

「石板のゴーレムを殴って倒す?? ゴーレムは自動人形ですから、操作している術者を探しだして倒すということですか……」

いちいち、ゴーレムを操っているファラオを探しだす何て時間の無駄だ。レヴィアって警戒心が人一倍強いタイプなんだな

「僕は転移魔法が使えるし、ルミネスも飛行魔法が使えるよ。何かあったら飛んで逃げるか転移するよ」

「わかりました、騎士として覚悟を決めるしかないようですね!」

納得したレヴィアを連れて、遺跡内部へとワープした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ