グリフォンリーダー4
さて、ルールは地面に落ちたら負けだったよな?
ならこんな攻撃魔法じゃなくて、シンプルに敵を墜落させた方が速いじゃん。
目一杯振りかぶり、グリフォン君目掛けて氷の砲弾を投げ返した。
「ふん!!」
《グエエェェ!!!?》
「ロドリゲス!?」
ドス!! っと鈍い音がし、グリフォン君のライオンボディに、氷の砲弾が見事に食い込んだ。
当たった! このまま逃さないぞ。
「初級魔法・『ジャミング』」
妨害の魔力波がロドリゲスの翼を通り抜けると、パリッ! っとガラスを打つような音が響く。
翼の飛行の魔法陣にヒビが入ったな、もうあの巨体を飛ばせないぞ。
必死にバッサバッサと翼を羽ばたかせるも、どんどん高度が落ちていく。
《グエ! グエェェェ!? 》
「し、しっかりしてくださいロドリゲスゥ!」
ついに疲れ果てたのか、翼の羽ばたきが途絶え、ヒューンっと神殿の庭に向かって墜落していく。
《グェッ!》
「きゃっ!」
ドサッ! と、お腹から地面に落ち、背中のレヴィアが衝撃で芝生の上に放り出された。
僕の勝ちだな! ハードルを上げられた割に呆気なかったな。
地上に降りると、グリフォン君とレヴィアが仲良く寄り添ってグッタリとしていた。
「痛ったぁ……今日は墜落させられてばかりですね……まさかロドリゲスをああも簡単に仕留めてしまうとは」
「怪我はないかい? グリフォン君は手を抜いてくれてたみたいだし、あれくらいなら余裕だよー」
《クェ……》
あれ? ロドリゲスの奴が、頭を地面につけて平伏のポーズを見せている。
さっきまでの悪態はどこへやら、僕を見る目が尊敬の眼差しに変わってキラキラと輝いている。
「こ! このポーズは! 主人交代のポーズ!? 今の戦いでドミニクさんを騎士団長よりも強いと判断したのですね!」
仰け反って大袈裟に驚くレヴィア。ブツブツと1人で頭を整理している。
「主人交代って?」
「これはとんでもない事態ですよ! グリフォンリーダーがドミニクさんを新たな相棒に任命したのです! つまり、全てのグリフォンがドミニクさんの使い魔になったんですよ」
「えぇ! い、いきなり困るよ……そのグリフォンって何体くらいいるの?」
「多分、200体くらいですね」
多すぎるわ! それって僕が世話しなくてもいいんだよね?
《クェーン》
お腹を見せて寝転がり、ロドリゲスが頭を擦り寄せて甘えてくる。
「まあまあ可愛いけども……」
僕を祝福しよと、神殿の庭にバッサバッサとグリフォンの仲間が集まってくる。
《クェ!》《クェー》
仕方なく、適当に地面にひっくり返してもふもふの顎を撫でてみる。
「おっ、気持ちいい。懐くと結構可愛いじゃん」
「ロドリゲス? どこへ行くのですか!」
《クェー!》
ロドリゲスは「使命がある!」と言わんばかりの表情で、レヴィアを残したまま大空へ飛び立っていった。
「今後のドミニクさんの処遇についてですが、事が大き過ぎてどうなるのか私には判断がつきません……とにかく、予定通りに王宮の設備を案内しましょうか!」
まさか、騎士団に入ってグリフォンの世話をしろとか言われないよね……? 勝手に使い魔が増えてくなぁ。




