表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/158

グリフォンリーダー2


レヴィアが、グリフォンの銀色のもふもふの体毛に抱きついた。

「この感触がすべすべで堪らないのです! ドミニクさんもボーッとしてないで触ってみてください。この子は特に毛が滑らかなんですよ」

へぇ、確かに気持ちよさそうだ。僕も触ってみようっと。

そーっと体毛に触れようと手を伸ばすと、ロドリゲスはバ! っと巨体を仰け反らして威嚇(いかく)してきた。

《クエッ!! クエッ~!》

え!? めっちゃ威嚇(いかく)されてるぞ……(なつ)かないって本当だったんだな。

翼を広げてプレッシャーを与えてくるロドリゲス。言葉は分からないけど、『余所者は認めん』と言わんばかりに(うつむ)いて首を振っている。

《クェッ! クエッ!》

「むむむ……ロドリゲスはドミニクさんが本当に王宮に相応(ふさわ)しい男かどうか、その力を試したいのですね!」

《クエッ!!》

「お、王宮がどうとかまでは言ってないと思うけどね……別に認めてもらえなくてもいいんだけどなぁ」

鷹の立派な眉をキリッと釣り上げて(うなず)き、鋭い(くちばし)でレヴィアに耳打ちしている。

《クェ! クェクェ》

「ふむふむ、なるほどー。ロドリゲスはドミニクさんと『空中戦』で競い合いたいようですね」

鳥語が分かるのか? 空中戦って、なんか面倒くさい展開になってきたぞ……。

「空中戦って馴染みのない言葉だけど、何を競うの?」

「空中戦とは、空の上で行う決闘です。ルールは相手を地面に墜落させた方の勝ちとなります」

「僕は飛行魔法が得意だから、全然構わないけどね」

「そういう次元の話ではありませんよ! グリフォンは自由自在に空を飛びながら攻撃魔法を放てます。人間の飛行能力に換算すると、約10倍に匹敵すると言われているんですよ」

「えぇ!? 10倍も!?」

《クェー》

誇らしげに、自慢の大きな翼を広げるグリフォンリーダーのロドリゲス。

音速よりも10倍速く飛べるってのか……やっぱりただのグリフォンじゃないようだ。。

通常、魔獣は『咆哮(ほうこう)』によって構成魔力数を組み上げ、『感覚的』に魔法を発動させている。

咆哮(ほうこう)による魔法の発動は速いけど、魔法陣を描くやり方と比べると応用を利かせることが難しく、多くても2種類くらいの魔法しか組み上げられない。ドラゴン族なんかは例外だけどね。

しかし、グリフォンは人間と同じように指先で器用に魔法陣を描き、多種多様な魔法を扱えるらしい。

ロドリゲスがレヴィアの前で体勢を低くし、《背中に乗れ》と(あご)を振って合図を送っている。

「ハンデとして、私を乗せて勝負してやると言っています。人間とグリフォンでは戦闘能力が違い過ぎるので、軽くあしらって終わりにしてくれると思います」

「意外と優しいんだね」

ロドリゲスは、レヴィアを背中に乗せると一足先に空へと飛んでいった。

あのグリフォンそんなに強いのかな? そこまで強そうには見えないけどなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ